番外編 ページ33
もし、フゥ太が黒曜編以前に会長とあっていたらのお話
【星の王子様と会長】
数日前から超常現象が起きているとの報告があった。
なんでも、ポルターガイストのように誰も居ない場所で物が浮き上がるのだとか。
場所は特定されておらず、原因も不明なため仕方なく僕は校内の見廻りを行うことにした。
校内には不審な人物も例のポルターガイストが起こっているもなかったので、外に出てみた。特に理由もなかったのだが……。
「ツナ兄、ガンバレー！」
見つけてしまったよ、不審者。
見た感じ10才前後のマフラーを巻いた子ども。それも、某無重力ヘアの知り合いらしい。
彼の知り合いに関わるのも面倒だと思うが、子どもが恭弥に咬みころされるのも可哀想だし。
腹を括ってマフラー少年に声をかける。
「………君、なにしてるの？」
「え？」
大げさなくらいビクゥッ!?となったマフラー少年。そんなに驚くことなかろうに。
「
恭弥に見付かる前に、ね。と言外に含ませるが、マフラー少年は気付かない。……というより動かない。どしたし。
「凄い、凄いよ！」
「何が？」
「僕のランキングに載らない人、初めて見た!!」
よくわからないが興奮気味に僕の手をとりはしゃぐマフラー少年。
うん、可愛い。……って、そうじゃなくて。
「早く帰らないと、怖いおにーさんに咬みころされるよ？」
「えー!?もう少しお姉さんと一緒にいたい、ダメ？」
くっ！あざとい！
小首を傾げるマフラー少年のチワワのような目に負けた僕は、恭弥にバレないように生徒会室に案内したのだった。
(あ、僕フゥ太って言います！お姉さんは？)
(……………三雲A)
(じゃあ、A姉って呼ぶね！)
星の王子の笑顔に勝てない会長なのであった。
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作者名：蒼 | 作成日時：2018年1月22日 16時
