第56話 ページ28
途中から無意識で六道くんとやり合った恭弥。よほど1度負けたのが悔しかったのだろう。負けず嫌いだからねー。
「会長も怪我してるし、早くみんなを病院に連れて行かなきゃ！」
「それなら心配ねーぞ。ボンゴレの優秀な医療チームがこっちに向かってる」
“ボンゴレ”、ね。やはり、陽葵の言うことは正しかったか。
フラフラと歩く獄寺くんと、慌ててそれを止めようとする沢田くん。
「その医療チームは不要ですよ」
やっと終わったと思った時に聞こえたナッポーボイス。
見れば片手に銃を持ち、不適に笑っていた。
「なぜなら、生存者はいなくなるからです」
慌てて沢田くんを庇う獄寺くん。だが、何か可笑しい。
クフフ、と特徴的な笑い声とともに、此方に向けていた小銃を自分のナッポー頭に突き付ける。まさか!?
「Arrivederci(また会いましょう)」
ーーズガンッ！
「遅かったか！」
気付いた瞬間駆け出すも、間に合わず六道くんは倒れた。
「そ、そんな……」
「やるせないッス」
獄寺くんはともかく、一般人として生きてきた沢田くんには、ショックが大きかったようで。
念のため脈を診るも、既に事切れていた。
けれど、違和感を感じる。本当にこれで終わったのか？
「生きたまま捕獲はできなかったが、仕方ねーな」
なんとも呆気ない幕切れだと思うが、優秀なヒットマンが言うのだ。間違いないのだろう。
「ついに、骸を倒したのね。……うぅ」
「ビアンキ！」
「ビアンキさん！」
「アネキ！」
「無理すんなよ」
気を後ろ姿いたビアンキさんが目を覚ます覚ましたのだが。獄寺くん、アネキってどういうことかな？
(会長ビアンキ知ってるのー!?)
(なんか仲良くなった。それより、アネキって………)
(うっ。………事実だ)
忠犬と毒サソリが姉弟と知った会長なのであった。
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作者名：蒼 | 作成日時：2018年1月22日 16時
