第55話 ページ27
ーードガガガッ！
まさか爆発音が目覚まし変わりになろうとは、いつぶりだろうか。
どうやら僕が寝かされているのは、ソファーの上らしい。ご丁寧にブランケットがかけられていた。
「ーーん！ごーー！」
隣室？から聞き覚えのある声が。身体を起こし、変なところが無いか確認してから立ち上がる。
ちっ、あのナッポー頭。主要な関節ばかり狙いやがって。歩く度にズキズキ痛む。
なんとか声のする方へ移動すると、
「おー。恭弥や見っけ」
「んなっ!?会長ーっ!!!?」
「やぁ、沢田くん」
傷は浅そうだが、傷だらけの沢田くん。反対の入口には座っていても辛そうな獄寺くんが。
そして、六道くんと対峙してる恭弥は見るからに満身創痍。全治何ヵ月だよ、あのケガ。
「おやおや。随分と早いお目覚めで」
「うるさいよ、ナッポー風情が。昔懐かしい爆発音がいい目覚ましになってね」
「クハっ!?ナッポーとは失礼な」
「君は黙ってなよ。A、手出さないでよね」
「……ちっ」
「(なんなのこの状況ーっ!?)」
顔面蒼白の沢田くんの考えてることはなんとなく分かる。うん、カオスの空間だよねココ。
閻魔大王様がご光臨された恭弥は覚悟はいいかい？と六道くんに向かっていく。
おー。恭弥が凄いのは知っていたが、六道くんも中々やるねぇ。
「君の一瞬ていつまで？」
ひゅー。更に挑発するとかさすが恭弥。いいなぁ。僕も参戦したい。あのトサカをむしり取りたい。
「(か、会長の笑みが黒い)」
「なんでオメーがここにいるんだ？」
一段高くなっているところで観戦していると、ハイスペックベイビーがやってきた。
「恭弥の迎えにきたんだ」
「その怪我は？」
「あぁ、これ？六道くんが恭弥の場所教えてくれなかったから、無理やり聞こうとした結果」
「(傷は多いが致命傷は避けてやがる。戦いなれてねーとできねーことだぞ)」
何かを考えてるハイスペックベイビーを一瞥し恭弥たちに意識を戻す。
「クフフ。手っ取り早く済ませましょう」
六道くんの言葉と共に室内に咲いた満開の桜。なるほど、桜クラ病を利用したのか。
しかし、恭弥のトンファーは六道くんに入った。獄寺くんが処方箋を預かってきてたとか。
そのまま油断している六道くんに強烈な一撃を加えた恭弥は、覚束ない足取りながらも僕のところまできて倒れた。
お疲れ様。
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作者名：蒼 | 作成日時：2018年1月22日 16時
