第44話 ページ16
ヘロヘロながらも走る沢田くんが向かう先は並盛神社。
どうやらそこがひったくり犯の巣窟らしい。恭弥さーん、瞳孔開いてますよー。
めっちゃ危ない顔してますよー。お願いだから死人は出さないでくれ。
「ーーー！」
「ーー、ーー」
長い石段を駆け上がると、恭弥はそのまま手近にいた1人を伸した。
「うれしくて身震いするよ。うまそうな群れを見つけたと思ったら、追跡中のひったくり集団の大量捕獲」
「ヒバリさん!!」
よく見ると胸ぐらを捕まれてる沢田くん。嬉しそうなところ悪いけど、恭弥は君を助ける気なんてまったく無いから。
「集金の手間がはぶけるよ。君達がひったくってくれた金は風紀が全部いただく」
「(またあの人、自分のことばかりーっ!?)」
ほらね。いやぁ、僕が言えることじゃないけど、恭弥も十分ゲスいよねー。
「ムカつくアホがもう2人。丁度いい、中坊1人しとめるために、柄の悪い後輩を呼び過ぎちまってな」
「何人いるのーっ!?」
出るわ出るわ。確かに沢田くん並みに叫びそうになる量だね。
「これは久しぶりに僕も参加してもいいよね？」
「好きにしなよ。けど、怪我したら許さないから」
「なんつー無茶ぶり」
「なっ!?会長も参戦するのーっ!!!?」
驚く沢田くんに嗤って答える。あー、楽しみだなぁ。
「(会長
「だったらお前も戦え」
ーーズガンッ
「
「余計だな」
「まあまあ」
「たかが中坊3人だ！一気に仕掛けろ!!」
敵のリーダー？が叫ぶと同時に鳥居のところで爆発が起きた。
「10代目!!」
「助っ人とーじょー」
現れたのは案の定獄寺くんと山本くん。派手な登場だね。
「気にくわねーガキどもがゾロゾロと」
「ヒバリ達と初の共同戦線だな」
「冗談じゃない。ひったくった金は僕がもらう」
「なぁ？」
「やらん！」
「当然っス」
「ｸｽｸｽ。じゃあ、この喧嘩に勝利した者が手に入れれるということで」
「おめーも狙うのか？」
「とーぜん」
だって、並中の修繕費が浮くからね、とダートを構える。
ーーードガァン！
(ちぇー。沢田くんたちのは取れなかったか)
(これの3分の1は生徒会に回してあげるよ)
会長は無傷だったのでご褒美をもらったのだった。
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作者名：蒼 | 作成日時：2018年1月22日 16時
