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Aside
「…何故此処に来る方法が分かった?」
聞き覚えのある声が囁く。
その声の響きは驚きと少しの好奇心を
含んでいるように聞こえてきた。
「別に分かってた訳じゃない。
…確証は持てなかったけれど、
最初に死んだ時はこうして会ったから。
それに─」
それに?と私の顔を覗きこみながら
光は楽しそうに聞き返してくる。
「〈私〉と向き合う事を
〈鏡合わせ〉に成れば良いと思った。」
表す事が出来たのなら。
それは、私が〈私〉と向き合えた事の
証明とも言える。
違う?と聞いてみると、
何が面白いのかは分からないけれど
愉快そうに笑い声を漏らしながら
正解だと手を叩いた。
「…君は鏡合わせになった
それが何を指すのか…分かる?」
何の事か分からない、と首を横に
ゆるゆると振ってみせる。
「自分との一体化。
…つまり、不完全な人格から
完全な人格へと変われた事を表す。
簡単に言ってしまえば、
君自身に欠如していたモノを
無事に取り込めたわけだ。
けれど──。」
言う事を少しばかり躊躇ったのか、
一息ついてから平静な表情で
言葉を続けた。
「人格が元通りになったとて、
君が死んだ事実は変わらない。」
沈痛な言葉は独り言でも呟くように
モゴモゴと口ごもって聞こえた。
「…死ぬのは元より覚悟してた。
皆に命を懸けてたんだから。
君が悲しむ必要はないよ。
…でも……もし。
私がもう一度生きたいと願ったら、
君は聞き入れてくれる?」
キョトンとした顔で暫くの間
此方を見つめていた彼は
硬直させていた筋肉を緩めて
勿論さ、と笑っていた。
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真冬のハイビスカス(プロフ) - え、すご。好き。何これタヒねる((( (2022年3月12日 10時) (レス) id: 8fca6226df (このIDを非表示/違反報告)
5884 - うわああああああああ!!ー神いいいいいいいいい!!! (2020年11月19日 7時) (レス) id: 46a9b0887f (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 6AB72D11L8DG5r6さん» 最後まで読んで下さってありがとうございました!別作品も良かったらどうぞ。 (2019年5月10日 7時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
6AB72D11L8DG5r6(プロフ) - やばい!すごい!めっちゃ面白かったです!!! (2019年5月9日 23時) (レス) id: 2653006338 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - Ro:Aさん» 最後まで読んで下さってありがとうございました(///∇///)次回作でお会いしましょう! (2019年2月25日 7時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年1月1日 15時