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再会 ページ26

久しぶりに見るその姿は
随分変わってしまったように見える。

肩の骨と肋の間の深い窪み。
所々くっきりと浮き出した骨。
白く張った皮膚の下に青く透ける静脈。
その姿はまるで──。

─人形みたいだ。

足元から背筋にかけて
冷たい冷気が突き抜ける。
ただ、今はその冷気が
身が引き締まるみたいで心地いい。

瞑られた瞼がゆっくり開く。
僅かに覗いた瞳からは水の底のような
深く、少し濁った青色が見えた。

「…久しぶり。」

薄く開いた口から静かに発した言葉。
ずっと待っていた人の、声。

「あ、ぁ。久しぶり、だな。」
「…変な顔。」

再会の嬉しさに頬を紅潮させる俺を
面白そうにAは笑った。

「…探してくれてたんだよね。」

空気が一変したような気がする。
暗い色の瞳に憂鬱な熱を持たせて
Aは話し掛けてきた。

「…悪い事、しちゃったね。」

力無く弱りきった表情で
ばつが悪そうに笑っている。

「Aが無事ならそれでいいんだ。」

本心からの言葉を言うと
Aは何かを言おうか悩んでいるのか
口を開いた…と思えば再び閉じるのを
繰り返し、悲しそうな表情を見せた。
言いたげにする言葉を待っていると
暫しの沈黙の後、躊躇っていたAは
意を決したのかゆっくりと口を開いた。

「話したい事があるの。
…場所、変えてもいいかな。」

わざと瞳の焦点を外しながら
この日までの疲れで死に絶えそうな
Gasterに視線を投げ掛け、
直ぐにまた目を閉じる。

…もしかしてコイツに
聞かれたくない事でもあるのか?

「…いいぜ。あの場所(・・・・)でいいよな?」

声で返事はせずとも、
静かに頷いてみせたAは
次の動作を分かっているように
俺の手を体温の無い手で握った。

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真冬のハイビスカス(プロフ) - え、すご。好き。何これタヒねる((( (2022年3月12日 10時) (レス) id: 8fca6226df (このIDを非表示/違反報告)
5884 - うわああああああああ!!ー神いいいいいいいいい!!! (2020年11月19日 7時) (レス) id: 46a9b0887f (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 6AB72D11L8DG5r6さん» 最後まで読んで下さってありがとうございました!別作品も良かったらどうぞ。 (2019年5月10日 7時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
6AB72D11L8DG5r6(プロフ) - やばい!すごい!めっちゃ面白かったです!!! (2019年5月9日 23時) (レス) id: 2653006338 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - Ro:Aさん» 最後まで読んで下さってありがとうございました(///∇///)次回作でお会いしましょう! (2019年2月25日 7時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年1月1日 15時

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