* Sparkle * +1 (ページ11)

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嵐のように去っていった風磨くん。
わく、付き合ってること言っちゃったよ。

『わく、なんで言ったの？』
「だめだった？」
『だめだけど、……ちょっとうれしかった、』

俺の彼女なんでちょっかい掛けないでくださいね、って。
先輩に、そんなこと言ってくれるなんて思わなかった。

「風磨くんも樹くんもAのこと気にいってんだもん」
『そんなことないでしょ』
「……自分が可愛いの自覚してください」
『へ、』

今可愛いって言った？

「何、」
『かわいいって言った？』
「…………言ってない」

今日帰る時雪降りそう。
天城くんの真似したからかも？

『じゃあ言ってよ』
「…………さっき言いました」

そんなに言い渋らなくてもいいのに！

『えー？』
「もーうるさい、」

後頭部を掴まれ、ぐっと顔を寄せられる。
思わず目をつぶった。

「なるー、そう言えばさっき言おうとしたことなんだけど、……あ、」
「風磨くん！ノックくらいしてくださいよ！！」
「お邪魔しました〜、」

このまま戻らないで！！
あと結局言おうとしたこと何？！

「中島が今度見に行くから姫に言っといてって、それだけ」
『え！健人くん来るんですか！楽しみ！』
「じゃあ、キスぐらいにしといてね」
「風磨くん！」

待ってください！って一緒に出てっちゃった。
この後、廊下で樹くんと会った時、案の定にやにやした顔で見られた。

『なんですか？』
「湧そっちにいたよ」
『聞いてないです！』
「そう？」

見事に千穐楽まで遊ばれることになった。

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