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side：waku

かわいい？って聞くけど、常にかわいいって思ってるし。
……まあ、言わないけど。

でもA、ちゃんと言ってほしいんだろうな、って分かってる。

「なるー、いる？」
『あ、風磨くん！います！』

高良くん見習ってちょっとくらい口に出してみようかな、って思ったところで風磨くんが部屋を訪ねてきた。
慌てたようにAに距離を取られた。

「あれ、元木湧もいる。ふたりで何してたの？」
「織山のBLドラマを見てました」
「へー？何、付き合ってんの？」
「何言ってんすか風磨くん(笑)」

風磨くん、冗談のつもりで言ったんだろうけど、図星だから内心ドキドキ。

笑って誤魔化そうとしたけど、なんか、Aが寂しそうな顔をしてるから、

「……誰にも言わないでくださいね、」
『え、わく？』
「まじ？！怪しいなーって思ってたんだけど、まじ？！」
「俺の彼女なんであんまりちょっかい掛けないでくださいね」
「……へーえ、」

にやにやした顔でおれとAの顔を見比べる風磨くん。
……やっぱ言わなければよかった。今後一生からかわれそう。

「樹には言ってもいい？」
『だめです！ふたりでおもちゃにするつもりじゃないですか！』
「そんなひどいことするわけないじゃん！ふたりが話してるのを見る度ににやにやするくらいだよ」
「してる！！それはおもちゃにしてますよ！！」

あー、言わなきゃ良かった。

「楽屋で変なことしないでね」
『しません！』
「なるはそうでも……ねえ？」
「しませんよ！」
「ま、お幸せに〜」

そう言って、結局Aへの用事があったのかなかったのかよくわからないまま、部屋を出ていった。

なんか、無駄に疲れた。

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