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＿＿＿…ピッ
長い長いエスカレーターに足を踏み入れて
かざしたばかりの茶色い皮のケースに入った社員証に目をやった
この頃はこんなになってるなんて
思ってもみなかったんだろうな。
まるで自分じゃないような
希望に満ち溢れた今とは程遠いその表情に
親指でそっと顔写真を撫でた
�爐海譴�ら頑張るぞ�瓩辰�
本当に希望しかなかった。
大学受験も就活だって手を抜かずにしっかり。
自立した女性になりたい、っていうのが一番だったけど
大学が将来を決める
就職が人生を決める
今思えば大袈裟だと思うこの両親の言葉を信じて
引かれたレールの上をひたすら走ってきた
大学や就職先が決められてたわけじゃないし
決して甘やかされてきたわけでもないけど
ちゃんと、しっかりと脱線せずに
「おはよう。」
『おはようございます。』
変な職場が多いこの世の中で
おはよう。と声をかけてくれる上司がいる
大手会社に勤めて優秀な彼氏がいて
誰もが羨む自立した子育て大成功のできた娘
多分、外から見たらそんなとこ。
よし。今日も一日、頑張ろう。
軽く深呼吸をして
分厚いガラスの扉に手を添えてゆっくり押し開けると
いつもより軽くて思わず体が前にポンっと出た
『…ぁ、』
私の消え入りそうな声に、ふっと笑う
私の添えた扉のずっと上の方に彼の手があって
その腕は私の背後から伸びていた
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勇太「おはよ。」
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引かれたレールを真っ直ぐに進む列車が
予想外の場所で脱線してることなんて
他人には誰にも見えていやしないんだ
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ららちゃん(プロフ) - rainbow roseからこちらも読みました！こちらの作品もまだ序盤ですがもうおもしろい、見入ってしまう作品です！私、海羅さんの考える物語、作品が個人的に大好きなのだと思います！なので更新されるの楽しみに待っています！ (2018年7月16日 16時) (
レス) id: 62e93500a9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海羅
| 作成日時：2017年8月4日 5時
