地下世界の彷徨者 3

壮絶な兄妹喧嘩 ページ17

「反省しろ、クソガキ！」

「煩いわ過保護Monster！」

重力操作によって飛び交う骨。
それらは私を、家を傷付けていく。
凄まじい音が家の中で響き、揺らがす。
魔力を持たない私は、
辺りに散乱する骨を投げるしかなかった。
…ナイフがあれば戦闘としては平等だろうに。

「何やってるんだ！？」

激しい攻防はPapyrusが
部屋に飛び込んできた事で中断される。

豪雨のように降り注いでいたSansの攻撃が
Papyrusが訪れた事で一時的に止んだのを見逃さず
窓の方へと駆け出した。
大丈夫、2回目だ。今度は怖くない。

助走をつけて、窓から飛び降りる。
背後からは制止の悲鳴を響かせるPapyrusの声
それと、煽るようなSansの笑い声。
G√で死ぬ度に煽ってきた時のように
此方を見据えているような、笑い声。

「お前みたいな奴は知らない。
何処ぞで野垂れ死んじまえ、クソ妹が。」

二階の窓から此方に薄気味悪い笑みを浮かべて
海外では万死に値するサインを向けたSans。
日本では割りと日常茶飯事に見かけるそれは
どうやら此方の世界でも意味が変わらないらしい。

「上等だクソ骨。
性根腐りきってるアンタなんぞ私も見たかねぇよ。
お望み通り、視界から消えてやるさ。」

負けずに此方もNGハンドサインを繰り出し、
背を向けて駆け出した。
絶えず後ろからはSansの罵声が響いていたが
聞こえないフリをしながらSnowdinForestへと
歩みを進める事にした。

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