地下世界の彷徨者 3

真相とは ページ18

Chara side

「何があったかは知らないけど
……やりすぎじゃないかな。これは。」

「…知るか。」

拗ねたようにそっぽを向き、
此方の話を全く聞こうとはしないSans。

Friskからの連絡で母さんと別れて
Sansの家へと直行すれば、
現場は凄まじい事になっていた。

割れたガラスに突き刺さったままの骨。
四方に散らばった小骨に崩落した壁飾り。
Papyrusの話に聞いた喧嘩と
かけ離れ過ぎている現状。

「Sionの事はFriskが探しに行ってくれてる。
…僕も後から行くけど、君は──」

ちらりとSansを見てみるけれども
彼の表情はとてもじゃないが良いモノとは呼べない。
険しく歪んでしまった表情は
どこか僕が人間を憎んでいた時の表情に似ている。

「誰が行くかよ。誰が、アイツの所になんか。」

戯言のようにぼやきを溢しながら
Sansは怒ったように出ていってしまった。
…事実、怒っているのは確かだろう。

そんな彼を見送り、
部屋の中をもう一度見回す。

「……ホントに、何があったの。」

話を聞く限り、今回悪いのはSionらしいけど
……それは本当にSionなのだろうか。

彼女が今回の騒動を起こした理由を
Sansは聞いたのだろうか。
それを理解した上で、
この兄妹喧嘩は勃発したのだろうか。

…駄目だ。今悩んでも意味がない。

「もう一度、話し合わせなきゃ駄目そうだなぁ。」

凄惨な部屋の中、僕の呟きだけがこだました。

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