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理論的に ページ13

「ちょ、痛いよ、Sion。」

「煩い。子供じゃあるまいし嘆くな。」

HotlandのLabまで戻り
不貞腐れた表情のFriskを治療する。
私を庇ったばかりに、
Friskは肩に深い傷を負ってしまった。

「…ねぇ。」

口は、考える前に動いていた。

「……何で、庇ったんだよ。」

Friskのそうした行動不思議で、
なぜ庇ったのかなんて理解できなかった。

「傷付いたってどうせ治るのにさ。知ってるだろ?
無意味で無価値じゃないか。
……私を──庇うなんて。」

意味の無い事をするなんて馬鹿げてるよ。
そう問うようにFriskの正面に立つ。

「─無意味で無価値だって?」

Friskが向ける眼差しは苛ついているのか
キツく、鈍い光を灯していた。

「そうだよ。どうせ一瞬で治る身体だよ?
私は死んでも死にきれない(・・・・・・・・・・)けど
Friskは違うだろ。
貴方が傷付く必要は無いだろ。」

私、間違ってる?と首を傾げると
Friskは怒ったように勢いよく立ち上がった。

「ちょっ…!?まだ動かない方が─。」

「…僕がそんなひ弱に見える?」

隣接していた壁を殴り、
俗にいう【壁ドン】を仕掛けたFrisk。
ドキドキする…なんて甘いモノじゃなく、
壁が壊れないかヒヤヒヤしたが。

「いやさっき痛いって…」

「…泣くほど痛くはないさ。
君の言った通り、小さい子供じゃないんだし。」

私を見下ろすFriskの無骨な腕が此方に伸びる。
身体を縮こまらせて逃げようとするが
そんな事はさせないとでも言うように、
もう一方の腕が退路を塞いだ。

「…幾ら治るっていってもさ、
僕は、君が傷付くところは見たくない。」

伸ばしてきた手が頬に触れる。
触れた所から熱がじんわり伝わってきて、
冷えた頬が温かくなるのが分かった。

「…君からしたら僕のする事は
無意味で無価値なのかもしれないけど…
僕にとっては意味もあるし、価値もある。
僕は君をちゃんと守れてるんだってね。」

でも、だからって。
Friskに反論しようとして
上手く言葉が出てこない事に気付く。

何で、何でFriskが
傷付かなきゃいけないんだよ。

堂々巡りなのは分かっている。
それでも、それだけFriskが傷付くのは嫌だった。

「……傷付くの、見たくないから止めて。」

結局私が言えたのはそれだけだった。
それを聞いたFriskは
どうかなぁ、と苦笑していた。

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クロセ(プロフ) - はじめまして!続きを楽しみにしてます! (2020年6月2日 23時) (レス) id: c80b4d78c0 (このIDを非表示/違反報告)
きりにゃー - ロイヤルガードさん、タイミングう! (2020年3月4日 1時) (レス) id: 9df501902d (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - 名前カタカナになってますが十六夜です!(汗) (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
イザヨイ - いえいえ!大丈夫ですよ!仕事が忙しくこちらも返信できずすいません!時間があるたびに見に来ます!!((オイ (2020年2月4日 17時) (レス) id: 447a13bfc7 (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - 十六夜さん» 返信遅くなってしまいすみません。今時期は様々な用事がありロクに更新出来ずにいます。途中で作品を放るつもりは更々ありませんのでお時間が空いている時にでもまたいらしてください。 (2020年1月8日 18時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年7月15日 14時

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