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だけどいのおちゃんに抱かれるのだけは無理、俺はずっとそっちの想定はしてないんだ。
一応歳上で俺より大人で経験も豊富そうでキスだっていつもいのおちゃんからで…
最近の彼の口癖は「やまだ可愛い」。
日に日に増えていくその言葉、昨日は5回も言った。
その言葉を聞く度に、あんたのほうが100倍可愛いだろ!と心の中でずっと悶々としていた。
しかし、ポジション争いなんてしたら、力づく以外に勝つ方法が見当たらない。
いのおちゃんがせっかく俺と付き合ってくれてる今、本能をむき出しにして怖がらせたり、ドン引きされたくない気持ちは強かった。
かといって、やっぱり下にはなりたくなくて「無理に繋がらなくても俺はこうやって触れられたら幸せだよ」って誤魔化した。
それから何度か同じような夜がすぎて、その度にいのおちゃんは煮え切らない表情を見せていた。
「ん、…む、はぁっ」
いつもより少し深いキス。
舌で掻き回すと、トロトロにとけた顔。
こんなんで俺を抱きたいの?本当に馬鹿じゃん、
「やまだ…足りない…もっと欲しい…」
「っ、それは…」
それはそれは可愛いオネダリ。
今にも乗り上げてきそうな積極的な態度に下半身が熱を持つ。
押し倒したい欲望を、僅かな理性を総動員して抑え込む、そんな最中だった。
「怖がらなくていいから…全部俺のせいにして?」
しなやかな指先に連れられて、俺の右手は彼の秘部へ到達した。
「慣らしてきたの、お願い…ちょうだい…?」
「……へっ!?」
今、なんて言った?
そして目の前に広がる、はだけた素肌と潤んだ瞳、もの欲しげに誘うとろとろの蕾…この光景はなんて夢?
「やまだ…?やっぱり、男とそういうのはむりだよね、俺、気持ち悪いよね…ごめん忘れ、」
「あ、いや、そうじゃなくて、!!
えと、そっち!?」
「は?そっち?って、どっちだよ」
俺の素っ頓狂な声に妖艶からすっかり拗ねた子供みたいな表情に切り替わったいのおちゃんはむくれて俺に言う。
「俺はずっと前からやまだに抱かれたかったんだけど?」
その言葉が信じられなくて、嬉しすぎて、今にも泣いてしまいそうに見つめるこの人があまりにも綺麗で、愛おしくて…
「…後悔しない?」
「今更するわけな…んっ」
口付けて、ゆっくり押し倒す。
華奢な体はびくりと震えながらも、俺の首に腕が回されて。
もう止まらなかった。
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作者名:ららりる | 作成日時:2021年4月25日 1時