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掴んだ手の温かさ。 ページ6

Chara side

…やっぱり、信じるべきじゃなかった。

Ruinsから出られない僕に、
博士は会わせたい人がいると言った。

一度死んだ身の僕は、
博士によって復元され
もう一度、生を得る事ができた。

僕とAsを一度に失ったママは
2度目の生を得た僕を
もう二度と失わないよう、
Ruinsから出さなくなった。

僕にはそれが、酷く退屈だった。

でもそれは、ママが僕を
心配しているからこそだと思えば
仕方がない無いのかなって考えれた。

出られない僕を思ってかは知らない。

博士は気紛れに会いに来て
いろんな話を聞かせてくれた。

最初は、僕を被験体として監視でも
してるんだろうとばかり思っていた。
でも、時が過ぎようとも
博士は僕に会いに来た。

博士が僕を、被験体としてではなく
【Chara】として見てくれていることに
その時、僕はやっと気付けたんだ。

だから、信用出来ていたのに。


「…こんにちは。」

博士が僕に会わせたかった人。

濡羽色で、クセのある長い髪。

貼り付けられた笑顔は、硬くて
いかにも作りだしたような表情。

─あぁ、どうして。

…ねぇ、博士。
何で、【人間】がここにいるのさ?


「私、A。貴方は?」

Aと名乗った人間は
小首を傾げて尋ねる。
正直、憎たらしい【人間】なんかと
喋る事自体が酷く億劫だ。

「自己紹介は人と人の壁を
取り払う為の第一歩、でしょ?」

何がおかしいのか
クスクスと笑う【人間】。
湖の深い色の瞳を睨み付けてやっても
彼女は意にも介していない。
慣れているかのような反応をとった。

「…僕はChara。」

僕が名乗ると思っていなかったのか
一瞬、瞳が揺らいだのが分かった。

…それもすぐに彼女は
隠してしまったけれども。

「ふふ、よろしく、ね。Chara。」

ゆっくりと、差し出される白い手。

忌々しい【人間】に対する
酷い嫌悪感に襲われながらも
僕はその白い手を取った。

その手は何故か、不思議と
安心できる温かさを持っていた。

計画→←向けられた瞳の冷たさと



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零ノ花(プロフ) - コハクさん» 犬の呼吸音はトラウマだったな。怖かったわーあれ。 (2019年4月29日 16時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - Amalgamの話しはいつ聞いてもグロイと思う。犬はよくあんなの思い付いたよなぁ(失礼) (2019年4月29日 15時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - コハクさん» 会話割って失礼(_ _)。坂○忍さんに似てるよね。 (2019年4月29日 2時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - カマ猫さん» バカパン?あぁ、顔芸がヤバイ奴。(そうとしか認識してない矛盾の塊) (2019年4月28日 23時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
カマ猫 - コハクさん» 個人的にバカパンに色々と相談したい。いい答えくれそう。 (2019年4月27日 14時) (レス) id: 6d716ce25d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年3月14日 15時

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