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現実に向き合って ページ42

「─言わないでくれ。」

「え…」

言いたい事がある、そう言って
ちゃんと向き合おうと思っていたのに。

それを否定するかのように
Sansはゆるゆると首を振った。

「何も、知りたくないんだ。
Aが言おうとしている事も。
…これからの事も。」

悲しげに俯く姿が視界に映る。
無理も無い。
私だって、自分の世界が
繰り返されているなんて知ったら
それこそ生きる事を諦める。

─でも、それじゃいけない。

考える事を止めてしまったら
生きる事を止めるのと同じ。

Sansには、そうなってほしくない。

これも結局、
私の自己満足にしか過ぎないけど
…それでいい。

後悔は、したくない。

「考える事と同じ位、諦める事も大事。
でも、そこで止まればもう進めないよ。

全てを諦め、このまま生きるのか。
新たな答えを導きだし、進むのか。

貴方が何を選ぶかは分からない。

私は私、Sansじゃないから
私は私の選択をするよ。

私は諦めないよ。
まだ、皆と一緒に生きたいから。

私は考え続けるよ。
まだ、皆と一緒に進みたいから。


─貴方は、何を選ぶの?」

彼の眼窩の中の白い光が、
返答に迷ったかのように泳ぐ。

「…選ばなきゃ、いけないのか?」

「人はそれを現実逃避と言う。」

ついに何も言えなくなったようで
Sansは俯き押し黙った。

「無理に選べとは言わないよ。
そんな権限を私は持っていないから。
でも、私は進む為の術を知っている。

それにはSansの力が必要不可欠なの。

もし進みたいというなら
私は知る限りの全てを駆使して
皆の望む結果を導き出そう。

もし諦め、現状を継続させたいなら
私は最悪の結果にならないよう
せめてもの結果にしよう。」

眼窩の中の白い光が不安気に揺らめく。
─迷っているんだろうな。
選択としては難し過ぎるし仕方がない。
選べないだろう、そう思って
首を横に振ろうとした…その時だった。

「─進みたいって言ったら
お前は、この現状を変えてくれるのか?」

震えた声で、でも意を決したような
声をSansは発した。

「─変えて見せるよ。
但し、貴方の力が必要不可欠だけれど。」

そう笑って見せれば
また迷うように、視線を泳がせる。
暫く黙ってから、一言。

「─出来る限りの事なら、協力するぜ。
だから…答えを導き出す為に力を貸すから
──このままでいさせないでくれ。」

喉から絞るようにして吐き出された言葉。

「─あぁ、勿論さ。
皆が望む結果にしてみせよう。」

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零ノ花(プロフ) - コハクさん» 犬の呼吸音はトラウマだったな。怖かったわーあれ。 (2019年4月29日 16時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - Amalgamの話しはいつ聞いてもグロイと思う。犬はよくあんなの思い付いたよなぁ(失礼) (2019年4月29日 15時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
零ノ花(プロフ) - コハクさん» 会話割って失礼(_ _)。坂○忍さんに似てるよね。 (2019年4月29日 2時) (レス) id: fd8ff30996 (このIDを非表示/違反報告)
コハク(プロフ) - カマ猫さん» バカパン?あぁ、顔芸がヤバイ奴。(そうとしか認識してない矛盾の塊) (2019年4月28日 23時) (レス) id: 8996be223c (このIDを非表示/違反報告)
カマ猫 - コハクさん» 個人的にバカパンに色々と相談したい。いい答えくれそう。 (2019年4月27日 14時) (レス) id: 6d716ce25d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:零ノ花 | 作成日時:2019年3月14日 15時

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