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12. ページ12

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「平野さんの、この前の展示会も、すごいよかった。」

「展示会?」

「あの、舞台の。」

「あぁあぁ、すいません。展示会いうんですね、あれ。俺ずっと写真展って呼んでた」

「永瀬が、展示会って言ってた」

「廉かぁ、確かに、廉っぽい。あれ、やろうって言い出したんも廉なんよ。」

「そうなんや。永瀬が一番、あん時も楽しそうやった。」




公園のベンチに座って話しているだけなのに、私はいつまでも落ち着かなかった。




「廉のことは、永瀬、なんや。」

「え?」

「呼び方。呼び捨てしてたんやなと思って。」

「あぁ…うん。永瀬が呼び捨てるから、いつのまにか。」

「やったら、俺のことさん付けやなくていいです。絵までもらって、ここまで来てもらったのに、ヒラノサンて、なんか気になる」

「ほんなら、紫耀さん、で」

「なんで、さん付けするん?癖?」

「くせ?」



「平野紫耀」が選ぶ言葉は、いつも予想外で私はいつも新鮮に驚いた。


開けたことのない箱を次々と開けるような快感と少しの恐怖が交互に襲って来た。




同じことを彼にも思ってもらえたらいいのに、と強く思った。





「なんかわからんけど、平野さんは、遠いから。」

「遠い?」

「光ってて、眩しくて、近づいたら目が焼けそうやけど、ずっと見てたいって、思わせる」



言ってからしまった、と思った。

こんなことでは、告白と変わらないではないか。
変に思われないだろうか。

それ以前に、絵を持っていてほしいなんて、まるで本当の「あかん人」じゃないか。



しかし彼はそんな心配をよそに、恥ずかしそうに笑った。



「そんなこと言われたん、初めて。Aさんは、ほんまに綺麗なこと言うね。」

「綺麗?」

「あ、綺麗事って言ってるんじゃなくて、なんて言うんやろ、言葉が。嘘とかがほんまになくて、安心する」

「ほんま?」

「うん。この絵とおんなじ。俺この絵見た時、綺麗やと思ったけど、描いてる人も見たいと思ったんよ。
 嘘とかつけへん人やろうって思ってたら、ほんまにそうやった。」

「そうなんや」

「Aさんはほんまに、素直で、綺麗やな 」



そのときだけは、絵を見ていてほしかったのに、「平野紫耀」は最後だけ私の顔を見て言った。


絵のことだ、絵のことだ、と口に出して自分を戒めたかったが、彼に見つめられてそれも叶わなかった。






夜の中でもわかる彼の血色のいい唇が、いつまでもいつまでも、私の目の中で動いていた。



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作者名:琉叶 | 作成日時:2019年3月24日 1時

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