ダメージ ページ46
｢ストーンエッジ！｣
もう一度の障壁に今度は避けられず、ゲッコウガが空中に舞い上がった。
サトシも左肩の付け根を押さえる。
｢ゲッコウガ！｣
サトシが声を掛けると、ゲッコウガはサトシを振り向いた。
｢俺は大丈夫だ！つばめ返し！｣
ゲッコウガが神速で突っ込んでいき、右の拳で連続で攻撃する。あまりの勢いに、あの巨体のクレベースが数メートル吹っ飛ぶほど。
｢ほう…なかなかのパワーだ。だが…雪雪崩！｣
あの雪雪崩が再び襲いかかる。再び避けられずに命中してしまい、ゲッコウガはフィールドに倒れた。しかし、まだ戦闘不能ではない。
サトシが再び左肩を押さえ、ピカチュウが心配そうな声を上げる。
｢大丈夫だ。もっと…もっと強く！｣
サトシの顔が変わった。必死な、恐れ、焦りを含んだ表情…。
｢居合い切り！｣
サトシの体力も消耗しているのか、語尾が僅かに掠れた。しかし、ゲッコウガは疲れを見せないキレッキレの動きで攻撃にかかる。
｢氷の牙！｣
まだ隠していたのか…！しかも、氷の牙で、ゲッコウガの腕が凍り付いていく。
サトシとゲッコウガは驚愕の表情を浮かべる。
｢そのままジャイロボール！｣
クレベースがすごい勢いで回転を始め、ゲッコウガをフィールドの端に遠心力で吹っ飛ばした。
｢ゲッコウガ！うっ…！｣
サトシが呼び掛けた瞬間、よろけてその場に座り込んだ。ピカチュウが声を上げ、私たちも息をのむ。
ゲッコウガは叩きつけられた場所で目を回していた。
｢ゲッコウガ、戦闘不能！クレベースの勝ち！よって勝者、ジムリーダーのウルップ！｣
サトシはピカチュウに起こされて、呟いた。俺達…負けたのか？
ピカチュウが悲しそうに鳴き声を上げる。
｢氷は水のように器に合わせ、形を変えても、本質は変わらない。俺にはそれが出来ないから、氷タイプを愛してるんだよ。お前さんはどうだ？｣
サトシは驚いたようにウルップを見上げたが、悔しそうに俯いた。
｢どこまで行けるかは、ポケモンをどこまで信じているかだ。お前さんには、まだバッジはやれないな｣
俯くサトシを私たちは見守ることしか出来なかった…。
私たちはポケモンセンターに戻り、ジムで冷えた体を暖めながらジョーイさんの診療を待っていた。ルチャブルやファイアローもそうだが、一番心配なのはゲッコウガだ。
炎が揺らめく。風もないのに。何故…？
少ししてジョーイさんが出てきた。
｢肉体的にも精神的にもかなりのダメージ。だけど大丈夫。任せて｣
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juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 大丈夫ですよ！間違いのご指摘、有り難いです。師匠の教えには何でもついて行きます！ゲッコウガはジユンの良き相談相手であり、ゲッコウガもジユンから貰うギブアンドテイクの関係ですね。ゲッコウガが最近キテるんです(笑)。この二人にも注目です！ (2016年10月2日 20時) (
レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - すみません、こちらも打ち間違えました(汗)。「逃逃げ込んだ」ですね。大した違いはありませんが……。どうもすみませんでした。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ゲッコウガの察し、いいですね〜。ジユンちゃんが分かりやすいのもあると思いますけれど。 あ、さっき1ページ目から通して読んでいたのですが、3ページ目の最初が「逃逃げ込んでいた」となっていましたので、ご報告させていただきますね。今更でどうもすみません……。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 本当だ…！よく打ち間違いをしちゃうんです…。前にプラターヌ博士をプライベート博士と酷いミスをしたことがあって…(笑)。気をつけないと。間違いの指摘、ありがとうございます！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ありがとうございます！考えている内容を早く書かないと忘れちゃうので電光石火で書いてます(笑)。アランやジユンの話を書くのが大好きってのもありますが…。これからも作品のクオリティー上昇も叶えつつ頑張ります！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月29日 17時
