やりきれない ページ39
朝、早くに目覚めた。
エイセツが近いこともあって、空気がヒンヤリしている。
冬の季節の疑似体験、そういったところだろうか。
私はいつもの散歩用の服装の上に、スカイブルーのパーカーをしっかり着込んで少し思い直した。
バッグから１つのボールを取り出して、外へ出る。
外へ出た瞬間の肌を刺すような寒さに身震いして、歩き出す。
少し歩いたところで、ボールから出してやる。
｢なかなか良いところね。空気が冷えていて｣
グレイシアは朝早くに起こされた割には、ご機嫌だった。
｢リーフィアやフライゴン達が聞いたら、抹殺されるよ｣
私は近くの手ごろなベンチに座り、グレイシアは私の隣に座った。
｢フライゴン達、早くエイセツを過ぎられるなら何でもするって言ってたわね｣
｢氷タイプに滅法弱いのが２体もいるから、一人一人のニーズに合わせるのはちょっと無理だけどね。特にフライゴンとチルタリスから暫く、塩対応されるのは覚悟してるよ｣
グレイシアは暫く、周りの景色を眺めていたが、やがて口を開いた。
｢私を呼んだのは、単に冷たい空気を満喫させる以外にも、ゲッコウガとの話がしたかったからでしょ？｣
私は答えなかったが、答えは言わずとも分かっていた。
｢私もボール越しに見ていたけど、確かに怖かったわ。二人ともバトルを楽しむというより、バトルに何が何でも勝つって感じだったから…ショータとのバトルで、カルネさんと戦ったとき以上に裏目に大きく出た。そんなところね｣
流石グレイシア。真ん中のポジションとしてみんなを見ているだけあって、鋭い。言いたいことを全て言ってくれた。
｢二人…特にサトシが、勝ち急いでいるって感じがしたの。最近、強者相手に黒星がなかったから…それにショータの成長に驚き、焦燥感というか…一種の恐怖を感じていたんじゃないかな｣
グレイシアは黙って頷いた。私は若干、躊躇ってから付け足した。
｢スランプに陥ってるのかもしれない。しかも、後輩に負けて表には出してないけど落ち込んでると思う…いや、落ち込んでる。もし、今回のジム戦で…そうなったら…。今度こそ…｣
私の吐いた息が白くなる。さっきよりも濃い色だった。
｢確かに心配だけど、私達には、二人を見守ることしか出来ないわ。ゴジカさんも言ってたそうじゃない。試練に二人で向き合うことが必要だって。だから誰も介入すべきではないわ｣
グレイシアの言う通りだが、消化不良だ。
やりきれない気分で、虚空にため息をついた。
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juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 大丈夫ですよ！間違いのご指摘、有り難いです。師匠の教えには何でもついて行きます！ゲッコウガはジユンの良き相談相手であり、ゲッコウガもジユンから貰うギブアンドテイクの関係ですね。ゲッコウガが最近キテるんです(笑)。この二人にも注目です！ (2016年10月2日 20時) (
レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - すみません、こちらも打ち間違えました(汗)。「逃逃げ込んだ」ですね。大した違いはありませんが……。どうもすみませんでした。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ゲッコウガの察し、いいですね〜。ジユンちゃんが分かりやすいのもあると思いますけれど。 あ、さっき1ページ目から通して読んでいたのですが、3ページ目の最初が「逃逃げ込んでいた」となっていましたので、ご報告させていただきますね。今更でどうもすみません……。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 本当だ…！よく打ち間違いをしちゃうんです…。前にプラターヌ博士をプライベート博士と酷いミスをしたことがあって…(笑)。気をつけないと。間違いの指摘、ありがとうございます！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ありがとうございます！考えている内容を早く書かないと忘れちゃうので電光石火で書いてます(笑)。アランやジユンの話を書くのが大好きってのもありますが…。これからも作品のクオリティー上昇も叶えつつ頑張ります！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月29日 17時
