失望 ページ32
｢サトシ！｣
｢ゲッコウガ！｣
セレナと私の声が響いた。シトロン達はサトシの元へ、私はゲッコウガの元へ駆け寄る。カルネさんは…？
振り向くと、サーナイトが何かに拘束されていた。おい、誰だ。こんな非常事態にドサクサに紛れたヤツ。
上品とは言えないような笑い声と共に現れたのは…
｢何だかんだと言われれば｣
｢答えてあげるが世の情け｣
｢いや、そんな無駄な情けはいらないから今すぐ消えてくれない｣
私は今日１日で最も冷たい声でダサい紹介文を遮り、ツッコミを入れた。
その後もギャーギャー言ってたが全て無視してボールを手探りで探す。まずはどうやってサーナイトを救うか…
｢サーナイト、フルパワーよ！｣
カルネがそう言うと、サーナイトは力を込め始め、やがて拘束具を突破。
すげえ…。っていうか、ゲッコウガとのバトルでフルパワーじゃなかったんだ。
私達もビックリしたけど、ロケット団だっけ？そいつらが｢何ですと⁉｣と大仰天している間にエーフィの破壊光線で容赦なくおさらばさせて頂いた。
私はエーフィをボールに戻してから振り向き、ゲッコウガの容態を窺う。
草原に正座して、ゲッコウガの頭を膝に乗せた。こうすると頭に血管が通るから幾らか効果が…
ゲッコウガは私の予想以上にすぐ目が覚めた。目覚めたばかりで光量で目が眩んで、瞬きを繰り返す。
｢ゲッコウガ、大丈夫？｣
ゲッコウガは頷いてそのまま立とうとしたので私は一旦、強制的に座らせた。そして私が立ち上がってからゲッコウガの肩に腕を回した。水タイプ特有の人より体温の低い肌。細くまんべんなく筋肉のついた感触。
その体温の低さも関係して、私は身震いした。さっきの恐怖を思い出したのだ。
ゲッコウガがどうした、と聞いたが、私は答えられなかった。
ゲッコウガは私の思考を読もうとした。それに気付いた私は咄嗟にゲッコウガを意識から閉め出してしまった。
ハッとしたときには既に時遅し。ゲッコウガは悲しそうな視線を向けた。
｢ごめんね。今は一人で考えを整理したいの｣
私はそう言ったが、ゲッコウガが傷ついたことは痛い程感じていた。
気にするな、とゲッコウガは言ったが、本当はショックを受けている…。
でも、とても…彼には言えない。誰にも言えない。
あの二人の姿を見て、サトシがサトシではなく、ゲッコウガがゲッコウガではなく、無慈悲な殺人者そのものに見えてしまったことを…。
このことで、私とゲッコウガの間の関係に確実に亀裂が入ったのだった。
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juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 大丈夫ですよ！間違いのご指摘、有り難いです。師匠の教えには何でもついて行きます！ゲッコウガはジユンの良き相談相手であり、ゲッコウガもジユンから貰うギブアンドテイクの関係ですね。ゲッコウガが最近キテるんです(笑)。この二人にも注目です！ (2016年10月2日 20時) (
レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - すみません、こちらも打ち間違えました(汗)。「逃逃げ込んだ」ですね。大した違いはありませんが……。どうもすみませんでした。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ゲッコウガの察し、いいですね〜。ジユンちゃんが分かりやすいのもあると思いますけれど。 あ、さっき1ページ目から通して読んでいたのですが、3ページ目の最初が「逃逃げ込んでいた」となっていましたので、ご報告させていただきますね。今更でどうもすみません……。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 本当だ…！よく打ち間違いをしちゃうんです…。前にプラターヌ博士をプライベート博士と酷いミスをしたことがあって…(笑)。気をつけないと。間違いの指摘、ありがとうございます！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ありがとうございます！考えている内容を早く書かないと忘れちゃうので電光石火で書いてます(笑)。アランやジユンの話を書くのが大好きってのもありますが…。これからも作品のクオリティー上昇も叶えつつ頑張ります！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月29日 17時
