眠気 ページ23
私はそう笑ってリザードンに手を伸ばした。アランってよく、リザードンの顎の下をくすぐってたよね。
リザードンは嬉しそうに鳴いて頭を私の腕に乗せた。その時、風が吹いてきて、袖からむき出しの腕を冷やした。
本当に私ったら何を考えてたのか。冷えるのに半袖を着るなんて本当にバカだ。
すると、急に肩に何か乗せられて冷えが止まった。
｢風邪、引くぞ｣
アランの黒いジャケットが夜風を防いでくれる。有り難いけど…
｢ありがとう。でもアランが冷えるよ…｣
｢俺にはリザードンがいる｣
アランがリザードンの背中を撫でた。そっか。炎ポケモンは体温が高いから上着なしでも乗りきれるもんね。
ということで有り難く借りることにした。
満月が浮かんでいる。綺麗…。
｢…アラン。さっき、マノンの映像、見てたでしょ？私もさっきホロキャスターを見たら届いてた。ハリさん、このまま良くなれば良いんだけど…｣
私はそう言って、焚き火の炎を見つめた。
｢そうだな。マノンもきっと喜ぶだろうな｣
私達はそれ以上特に会話もなく、黙って焚き火の炎を見ていた。炎が夜風で不安定に揺れる。
黙っていても私達は気まずくなかった。言わずともお互いの考えが読めるような、そんな気がした。会話がない方が有り難かった。黙ってこうして隣で過ごすことで安らぎが得られた。
だが、その安らぎは永遠的なものではないことを知っていた。一瞬の、この時間特有のものだ。
期間が定められているのなら、少しでも長く満喫していたい。
風に揺れる葉が擦れ合う音。焚き火の炎を弄ぶような風。
一応サトシ達にはメモを残してきたが、帰った方が良いのだろうか？それとも…
｢帰らなくて良いのか？｣
アランがふと、そう聞いた。私は即答できなかった。
｢…まだ帰りたくない｣
そうは言っているが、眠気が猛烈にキテている。当然、ドラ◯もんのどこでもドアなんてないから寝袋をお取り寄せ出来ないし、選択肢は１つ…
｢眠いのか？｣
確かに自分でも首がこっくりこっくりしているのが分かる。夜風の心地よさで眠りへの扉が絶賛公開中だ。
｢…ん。すごく…眠い｣
｢相当眠そうだな｣
私が眠気と必死に戦おうとして言葉まで眠たくなっているのを聞いてアランは笑った。
｢このままだとポケモンセンターまで歩けなさそうだから、ここに泊まるか？｣
｢ん。そう…する｣
私はそのまま眠りの世界へ身を任せた。
完全に寝落ちる前に頭が傾いて安定したような気がした。
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juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 大丈夫ですよ！間違いのご指摘、有り難いです。師匠の教えには何でもついて行きます！ゲッコウガはジユンの良き相談相手であり、ゲッコウガもジユンから貰うギブアンドテイクの関係ですね。ゲッコウガが最近キテるんです(笑)。この二人にも注目です！ (2016年10月2日 20時) (
レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - すみません、こちらも打ち間違えました(汗)。「逃逃げ込んだ」ですね。大した違いはありませんが……。どうもすみませんでした。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ゲッコウガの察し、いいですね〜。ジユンちゃんが分かりやすいのもあると思いますけれど。 あ、さっき1ページ目から通して読んでいたのですが、3ページ目の最初が「逃逃げ込んでいた」となっていましたので、ご報告させていただきますね。今更でどうもすみません……。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 本当だ…！よく打ち間違いをしちゃうんです…。前にプラターヌ博士をプライベート博士と酷いミスをしたことがあって…(笑)。気をつけないと。間違いの指摘、ありがとうございます！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ありがとうございます！考えている内容を早く書かないと忘れちゃうので電光石火で書いてます(笑)。アランやジユンの話を書くのが大好きってのもありますが…。これからも作品のクオリティー上昇も叶えつつ頑張ります！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月29日 17時
