夜の逢瀬 ページ22
《アランside》
俺達はポケモンセンターに泊まらず、ポケモンセンターから少し離れた場所で休むことにした。夜で辺りも暗く、リザードンの炎で焚き火をする。倒れた丸太の上に座って、ホロキャスターで日課の連絡をとる。
｢こちらは異常なし。引き続き、メガシンカエネルギーを…｣
｢待ってくれ。フラダリ様から届いている映像がある｣
男がそう言って、映像を映した。最初に見えたのは寝かされているハリマロンだが、やがて…
｢アラン！聞いて聞いて！｣
リザードンも驚いた反応をする。マノンが映像の中でハリマロンのベッドの横の椅子に座った。
ハリマロンのトゲが僅かに動いたそうで、それを伝えたかったそうだ。
｢こっちは大丈夫！アランも頑張ってね！｣
映像が切れて、男が以上だ、と言って向こうから通話が切れた。
俺はリザードンに視線を向けた。
｢サトシとのバトル、どうだ？｣
リザードンは嬉しそうな顔をした。俺も同じような気持ちだった。サトシとのバトルは楽しい。今までのバトルとは違う。
｢思い出すな、博士のところにいたときのことを｣
俺とリザードンは顔を上げて夜空を見る。満月が浮かんでいた。
｢俺達も強くなろう。強くならなきゃ大事なものを守ることができない｣
自分に言い聞かせるように俺は言った。リザードンも喉で声を鳴らした。
その時、近くの木から微かに何かが擦れるような音が聞こえた。
｢何か用か？｣
夜間ならポケモンもトレーナーも休息を取る時間。夜間にバトルすれば勝てると思い込んでいるトレーナーに会うのは一人や二人じゃない。出来れば今日１日休ませてあげたかったが、突然の来訪者を拒む程、俺は冷徹ではなかった。もしかしたらメガシンカエネルギーも貯められるかもしれない。
少し躊躇して、木の陰から現れたのは…
｢…ジユン⁉｣
昼間の爽やかな服装とはまた違った、ネイビーの半袖のシャツに黒いジーンズ。靴は鮮やかな赤。ジユンは苦笑しながら俺の傍まで来た。
｢何故か足がこっちに向かってて…盗み聞きするつもりじゃなかったの｣
｢…そこにいると冷えるぞ｣
昼間は半袖でも十分過ごせるが、夜は気温が大きく下がる。半袖では寒すぎる。
現に、ジユンは夜風に半袖から見える細い腕を胸の前できつく組んで寒さに耐えている。
俺が頭を焚き火の方へ向けると、ジユンはおずおずと俺の隣に座った。
｢それにしてもこんなに冷えるのに半袖で外に出るとはな｣
｢仕方ないじゃん。衝動的に動いたんだから｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 11人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 大丈夫ですよ！間違いのご指摘、有り難いです。師匠の教えには何でもついて行きます！ゲッコウガはジユンの良き相談相手であり、ゲッコウガもジユンから貰うギブアンドテイクの関係ですね。ゲッコウガが最近キテるんです(笑)。この二人にも注目です！ (2016年10月2日 20時) (
レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - すみません、こちらも打ち間違えました(汗)。「逃逃げ込んだ」ですね。大した違いはありませんが……。どうもすみませんでした。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ゲッコウガの察し、いいですね〜。ジユンちゃんが分かりやすいのもあると思いますけれど。 あ、さっき1ページ目から通して読んでいたのですが、3ページ目の最初が「逃逃げ込んでいた」となっていましたので、ご報告させていただきますね。今更でどうもすみません……。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 本当だ…！よく打ち間違いをしちゃうんです…。前にプラターヌ博士をプライベート博士と酷いミスをしたことがあって…(笑)。気をつけないと。間違いの指摘、ありがとうございます！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ありがとうございます！考えている内容を早く書かないと忘れちゃうので電光石火で書いてます(笑)。アランやジユンの話を書くのが大好きってのもありますが…。これからも作品のクオリティー上昇も叶えつつ頑張ります！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月29日 17時
