仲間とは ページ11
｢ゲッコウガ…⁉｣
振り向くと、ゲッコウガの舌がノートパソコンとメタルチャームを絡めとっていた。さらにサトシ、セレナ、シトロン、ユリーカもいる。
｢ジユン、何か抱えてるなら俺達に話してくれよ。いつもジユンには俺達を支えてもらっているから力になりたいんだ｣
サトシがそう言いながら、ゲッコウガの舌からノートパソコンとメタルチャームを取って、私に返した。
私は黙って受け取ったままパソコンを持ってサトシ達に背を向けて静止していた。
｢ジユン…僕達、気付いてましたよ。この間の火事の事件の夜、ジユンが泣いていたこと。そこまで辛いのなら僕達を頼ってください｣
シトロンもそう励ましてくれた。バレてたのか…。あの日、誰も起きていないと思ってたんだけど。
｢…私の両親は、火事で死んだの。寝タバコみたいな事故じゃなくて、故意に…放火された｣
非常にシンプルにまとめたこの言葉だけで四人が息をのむ。
｢今は…話せない。だけど、この前の事件を見て、両親のことを思い出したの｣
そう言った時、自身の手が震えていることに気付いた。手が震えないようにパソコンを握りしめると肩が震えた。
すると後ろから温かい体温が伝わった。
｢ジユン、辛い過去を背負ってるのね。でも、今、私達がいる。私達も一緒に戦うわ｣
膝が震えて、まっすぐ立てなくなって近くの椅子の縁を掴む。サトシが回り込んで私の前に立って、椅子に座らせた。ユリーカがパソコンとメタルチャームを預かった。
｢ジユン、実はさっき、ゲッコウガと話していた内容を聞いちゃったんだ。そのネックレス、アランからもらったのをアレンジしたんだろ？｣
サトシの言葉に頷きながら私は気付く。自分がポケモンにしか秘密も相談も明かせないことを。人との関わりに関係ないポケモンに頼っていたことを。
｢アランは…きっと捨ててない。俺がアランだったら、もう関わらなくなった人からもらったものでも捨てない。だって、その人の想いがこもってるじゃないか！｣
サトシの笑顔が眩しい。
私もそうだから。アランの想いがこもってるから捨ててない。一時的でもこもっていたことに変わりない。
｢そのチャーム、すごい綺麗だよね。あたしも欲しい！ジユン、それ、どこで売ってたの？｣
ユリーカが聞いた。私が答えようとした時、ゲッコウガと目が合った。
ありがとう。そう伝えると彼は頷いた。
私が床に屈み込むとみんなも落ちたものを片付けた。
何１つ傷ついているものはなかった。
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juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 大丈夫ですよ！間違いのご指摘、有り難いです。師匠の教えには何でもついて行きます！ゲッコウガはジユンの良き相談相手であり、ゲッコウガもジユンから貰うギブアンドテイクの関係ですね。ゲッコウガが最近キテるんです(笑)。この二人にも注目です！ (2016年10月2日 20時) (
レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - すみません、こちらも打ち間違えました(汗)。「逃逃げ込んだ」ですね。大した違いはありませんが……。どうもすみませんでした。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
頂志桜(サム)(プロフ) - ゲッコウガの察し、いいですね〜。ジユンちゃんが分かりやすいのもあると思いますけれど。 あ、さっき1ページ目から通して読んでいたのですが、3ページ目の最初が「逃逃げ込んでいた」となっていましたので、ご報告させていただきますね。今更でどうもすみません……。 (2016年10月2日 19時) (レス) id: f46217bc92 (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 頂志桜(サム)さん» 本当だ…！よく打ち間違いをしちゃうんです…。前にプラターヌ博士をプライベート博士と酷いミスをしたことがあって…(笑)。気をつけないと。間違いの指摘、ありがとうございます！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ありがとうございます！考えている内容を早く書かないと忘れちゃうので電光石火で書いてます(笑)。アランやジユンの話を書くのが大好きってのもありますが…。これからも作品のクオリティー上昇も叶えつつ頑張ります！ (2016年9月30日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月29日 17時
