からかい ページ10
｢参りましたね、フラダリさん。あなたが来なかったら、僕はここでずっと穴を掘っていた｣
何故に穴を掘り続けようと…？そこら辺が謎だったが黙っておいた。
｢いえ、こちらこそ｣
フラダリは謙遜して言った。いや、この人的に自分の計画がトントン拍子に勝手に進んで大ラッキーってところかな。
｢それにアラン。君がいなければこの道は開けなかった。感謝するよ｣
ダイゴに褒められて、クールなアランの表情が少しやわらいだ。
｢チャンピオンに感謝されちゃって。このこの！｣
マノンとハリさんがアランの背中を突っついてからかう。ジユンも便乗してアランの頭を撫でてやる。
アランは顔を赤くしてやめろ、とジユンの手を掴んで振り払ったが、その掴んで振り払った手は優しかった。それを見たダイゴが面白そうな視線を投げ掛けた。
｢では行きましょう｣
ダイゴ、フラダリと続き階段を上る。霧がさらに濃くなってひんやりした空気が頬をそよぐ。ジユンとアランが一番最後なのを良いことに、アランがジユンの手を繋ぐ。友達同士でやるようなのではなく、指を絡めるあれだ。
｢積極的じゃん。霧が濃いのが背中を押してくれたの？｣
｢いつまでもやられてばかりだと情けないからな｣
あの頭を撫でた事件、意外と根に持ってたんだ。大人げない。
｢こうしておけば、干渉しなくなるだろ｣
｢…まさか、ダイゴに嫉妬した？｣
アランは顔を背けたが、その態度がジユンの考えが当たっていることを雄弁に語った。アランでも嫉妬するんだ…何か、かわいい。
｢アランでも嫉妬するんだ。そういうことにはドライかと思ってた｣
｢他の人にそんなことはしない。お前専用だ｣
その、いわゆる恋人繋ぎのまま、階段を上り切ってまっすぐ進むとまた別な遺跡の入り口へたどり着いた。あちこち遺跡の一部が朽ちていて、残骸が残っている。遺跡マニアの人が来たら脳内でお花畑が出来そうなくらいロマンだった。
｢ここだ。どこかに遺跡があるはずだ…｣
ダイゴが遺跡の中央にある祭壇に目を留め、祭壇の前に屈み込む。何か文字が刻んであるようだ。
｢間違いない…ここに巨石が…。アラン！向こうの祭壇に｣
｢分かった！｣
右側の祭壇にダイゴ、左側の祭壇にアランがつく。キーストーンを互いの祭壇にかざす。すると、再び光が遺跡を伝って遺跡自体が反応する。
マノンが感嘆の声を上げる横でフラダリは黙って様子を見ていた。安心できない油断のない眼差し。
そして、遺跡の中央の窪みから虹色に輝く巨石が現れた。
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藍玉 - 読みました！なんだか、大分雰囲気が変わりましたね。とても読みやすいです！話も続きがとても気になります…！私の意見を聞いてくださってありがとうございました。これからも頑張ってくださいね！ (2016年9月10日 23時) (
レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ざっと研究して、行間を空けて見ました！行間を空けてみるだけで結構読みやすさに差が出ますね…！是非ご確認ください！ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» 貴重なアドバイス、ありがとうございます。実は自分でも詰めすぎなのは百も承知なのですが、一話でどれだけのことを書きたいというノルマをある程度決めてまして…。そのノルマに追いつけるように書いたところ、このザマに…。他の作品など参考にして研究してみますね！ (2016年9月10日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
藍玉 - julietさん» はい、もちろんそのつもりですよ！…えぇっと、続けて私がコメントしてすみません。…生意気ながらアドバイスなんですが、少し文章が詰め過ぎていると感じるので行を空けてみてはいかがですか？今のままでもとても素敵な作品ですが。…あ、私はシリアスも大好きですよ！ (2016年9月10日 0時) (レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» お返事遅くなってすみません！コメント、ありがとうございます。最近はシリアスが強めなので甘い展開を入れるのが難しいのですが頑張ります！読者の皆さまがどう思っているのか気になっていたので参考になりました。これからもご愛読宜しくお願いします！ (2016年9月9日 17時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月5日 16時
