残酷な仕打ち ページ47
私はその後、ジョーイさんを呼びに行き、ハリさんを運んで行くのを見届けた。
そして様々な機械でハリさんの体の具合を細かく測定していく。
私たちは調べ終わるまで近くの長椅子に座って待つことになった。
マノンはすごく心配して落ち着かないのか、何度も椅子に座り直した。私はさらに落ち着きなく、待ち合い室の廊下を行ったり来たりしていた。
そしてダイゴと３人で中の様子を覗き込んで、点滴に繋がれたハリさんの姿を見ていた。中では忙しくジョーイさんとプクリンが動いていた。
｢マノン君！｣
そこへ私がジョーイさんにハリさんを運ばせた後に電話して呼んだプラターヌ博士が到着した。
｢プラターヌ博士！｣
そしてジョーイさんがカルテの書かれた紙を束ねているクリップボードを持って出てきた。
｢ジョーイさん！ハリさんは…？｣
｢命に別状はないのですが、昏睡状態になっている原因が分からないんです｣
そんな…と涙が目に浮かんだマノンにジョーイさんも｢今は経過を見るしかありません｣と同情するように言った。プラターヌ博士がマノンの肩に手を置いた。
｢何でこんなことになったか、分かるかい？｣
マノンは全然分からないと頭を振った。ちょうどそこへフラダリが現れた。
｢このまま、ハリマロンはフラダリ財団で預かります。うち以上の施設はありません｣
｢フラダリ代表ですね？｣
｢初めまして、博士。ハリマロンは責任持って預かり、回復に務め…｣
フラダリが言い終わらないうちにマノンがフラダリの服にしがみついていた。
｢ハリさん、大丈夫だよね…？絶対、目を覚ますよね？｣
フラダリが安心させるようにマノンの肩に手を置いた。プラターヌ博士とは違い、安心感がない。私はその手を振り払いたい衝動を懸命に抑えた。この人は信用ならない。だって、私は彼の正体に気付いたから。そしてこのラボが何を指すのか、全て分かったから。
｢ああ、任せてくれ｣
何が任せてくれ、だ！この人にそんなことを言える資格はない！
マノンはフラダリの服にしがみついたまま、泣き出した。あまりに悲痛だった。
直接見た訳ではないが、今日マノンの泣いたところを2回も見ていた。まだ私よりも若い新人トレーナーにこんなことが降りかかるのはあまりに残酷だ。
目の前の人物ともう一人の彼は遠縁ながらこの原因に関わっている。
私たちはただ悲痛な面持ちでマノンを見つめることしか出来なかった。
そしてこの話を彼が聞いていたことを私は知らなかった。
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藍玉 - 読みました！なんだか、大分雰囲気が変わりましたね。とても読みやすいです！話も続きがとても気になります…！私の意見を聞いてくださってありがとうございました。これからも頑張ってくださいね！ (2016年9月10日 23時) (
レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ざっと研究して、行間を空けて見ました！行間を空けてみるだけで結構読みやすさに差が出ますね…！是非ご確認ください！ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» 貴重なアドバイス、ありがとうございます。実は自分でも詰めすぎなのは百も承知なのですが、一話でどれだけのことを書きたいというノルマをある程度決めてまして…。そのノルマに追いつけるように書いたところ、このザマに…。他の作品など参考にして研究してみますね！ (2016年9月10日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
藍玉 - julietさん» はい、もちろんそのつもりですよ！…えぇっと、続けて私がコメントしてすみません。…生意気ながらアドバイスなんですが、少し文章が詰め過ぎていると感じるので行を空けてみてはいかがですか？今のままでもとても素敵な作品ですが。…あ、私はシリアスも大好きですよ！ (2016年9月10日 0時) (レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» お返事遅くなってすみません！コメント、ありがとうございます。最近はシリアスが強めなので甘い展開を入れるのが難しいのですが頑張ります！読者の皆さまがどう思っているのか気になっていたので参考になりました。これからもご愛読宜しくお願いします！ (2016年9月9日 17時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月5日 16時
