心の閉め出し ページ43
｢…俺といるとまた危険な目に遭うぞ｣
アランはそう言ったが、私は歯を食いしばった。そんなこと、今更もう遅い！アランが危険な目に遭うのを承知でついて来てるんだから！
｢アランが一緒にいれば乗り越えられるもん！｣
ほら、マノンはもっと私より素直に直球にアランについて行くことを宣言してる。危険なんて…
アランは私たちに背を向けた。
｢もう俺を頼るな｣
｢｢アラン…｣｣
分からないのか？と言うアランに意味を掴めず困惑する。次の瞬間、
｢お前がいると強くなれないんだ！｣
あまりの強烈な拒絶の言葉に私もマノンも息をのんだ。マノンはハリさんを抱く腕に力が無意識にこもっていてハリさんが苦しがっていた。マノンはハリさんを床に降ろして、何も言わずにフィールドを去った。ハリさんもマノンを追いかけて走り去った。
｢強くなれないって何？誰かがいるから強くなれないとかそんなバカみたいな法則がある訳ないじゃん。まず、アランが目指す最強の基準は何なの？そんな明確な目標がないままバトルしまくって、そんなに楽しい？あなたの目指すその漠然とした『最強』が周りの人を傷つけているのが分からないの？アランのことを心配してここまで来てくれた人にその態度はないでしょ？｣
｢お前こそ人のことは言えないだろう。同じ旅の仲間に自分のことを黙っていたのだから。俺が今、切り出さなければ自分の両親の話もダイゴと血縁関係にあることも黙っていたんだろうな｣
｢！…ダイゴから聞いたのね。確かに黙っていたのは悪かった。だけど、いくら秘密主義で嘘つきの私でも今の言葉でマノンを傷つけたのは分かる。バトルが終わったらマノンに謝って｣
私は振り返ることなく、フィールドを立ち去った。そしてエーフィを出した。こんな初見の場所を無闇に歩き回ると迷子になるリスクが上がる。
エーフィは私を見て、心に歩み寄って話しかけようとした。私は反射的にエーフィの歩み寄りをシャットアウトした。この気持ちを誰とも共有したくなかった。悲しく、失望し、そして怒りで渦巻くこの感情を自分で消化出来なかった。
エーフィはすぐに私の拒絶に気付き、歩み寄りを止めたが、悲しみの視線で見上げた。ごめんね、自分でも気持ちを整理出来てないのに今、そのことで話しかけられても混乱するだけなの。
察しの良いエーフィはすぐ私の気持ちを直感で感じ取り、テレポートした。
非常階段にマノンがいた。振り向いたマノンの目は赤かった。
私はマノンを抱きしめた。
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藍玉 - 読みました！なんだか、大分雰囲気が変わりましたね。とても読みやすいです！話も続きがとても気になります…！私の意見を聞いてくださってありがとうございました。これからも頑張ってくださいね！ (2016年9月10日 23時) (
レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ざっと研究して、行間を空けて見ました！行間を空けてみるだけで結構読みやすさに差が出ますね…！是非ご確認ください！ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» 貴重なアドバイス、ありがとうございます。実は自分でも詰めすぎなのは百も承知なのですが、一話でどれだけのことを書きたいというノルマをある程度決めてまして…。そのノルマに追いつけるように書いたところ、このザマに…。他の作品など参考にして研究してみますね！ (2016年9月10日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
藍玉 - julietさん» はい、もちろんそのつもりですよ！…えぇっと、続けて私がコメントしてすみません。…生意気ながらアドバイスなんですが、少し文章が詰め過ぎていると感じるので行を空けてみてはいかがですか？今のままでもとても素敵な作品ですが。…あ、私はシリアスも大好きですよ！ (2016年9月10日 0時) (レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» お返事遅くなってすみません！コメント、ありがとうございます。最近はシリアスが強めなので甘い展開を入れるのが難しいのですが頑張ります！読者の皆さまがどう思っているのか気になっていたので参考になりました。これからもご愛読宜しくお願いします！ (2016年9月9日 17時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月5日 16時
