状況観察 ページ35
デボンコーポレーションの所有するヘリコプターに乗ってから早一時間弱。
アランとジユンは何とも言えない雰囲気だった。ジユンが二人の後から乗り込んだ時、アランに気まずそうな視線を向けたが、アランの隣に座った。
だが、特に話すことなくただ時間が過ぎていた。
そして今、カナズミ沖合いの巨石のポイント地点に近付いていた。
｢流石に暑いな｣
ダイゴが襟元を摘まんで空気を入れるような仕草をした。そんなに暑いならスーツの上着を脱げば良いのに、と皮肉なことを考えたジユンは肩をすくめた。
ジユンはノースリーブなのでダイゴとアランより快適なのだ。
｢外気は摂氏60度を越え、尚も上昇中です｣
左耳に装着したイヤホンから情報が伝わる。ダイゴは窓から外の様子を見ながらチラッとアランとジユンを盗み見る。
二人とも床を見つめて考え事をしていた。ジユンは不安げに右耳の形をなぞっている。右耳には昨日渡したキーストーンが輝いていた。左耳にイヤホンを装着するため外したイヤリングの釣り合いが取れないのを気にしているのか？
｢間もなく目標のゼロ地点に到着。…グラードンを検知！｣
情報が伝わる前に窓から見えた。ゲンシグラードンが海を悠々と進んでいる。歩いた後はマグマが出た大地が続く。これが…大地を広げる力…！
思わずアランの上着の袖を掴む。アランはジユンの突然の行動にビクッとしたが掴んだ手に自身の手を重ねてそっと握った。
やがてグラードンが立ち止まって叫び声に近い鳴き声を上げる。
｢カナズミ沖地点、高エネルギー反応！｣
その時、バッチリ床の一部が持ち上がっているのを目撃してしまった。ジユンは顎をしゃくって合図すると床は元通りになった。ダイゴがそれに気付かず、持ち上がった床のすぐ近くを通過した。
ダイゴ、アラン、ジユンが立ち上がってヘリコプター内で情報分析している男性に近付く。
｢例の巨石とパターンが一致しています！｣
やはりあの巨石…とダイゴが呟いた瞬間、イヤホンから通信が入った。
｢３人とも聞こえるか？｣
代表？フラダリさん？と驚く二人に対してジユンは何か用ですか、と冷遇した。
｢こちらでも巨石の反応を検知した。尚、固体としての反応はまだ出ていない。この先何が起こるか分からない。十分気をつけて調査の続行を｣
よく言うよ。こんな危ない場所まで来させておいて。
そう皮肉った瞬間、警報の赤い光とブザーが鳴った。
｢海中に移動物体！間もなく海面に達します！｣
まさか…！
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藍玉 - 読みました！なんだか、大分雰囲気が変わりましたね。とても読みやすいです！話も続きがとても気になります…！私の意見を聞いてくださってありがとうございました。これからも頑張ってくださいね！ (2016年9月10日 23時) (
レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ざっと研究して、行間を空けて見ました！行間を空けてみるだけで結構読みやすさに差が出ますね…！是非ご確認ください！ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» 貴重なアドバイス、ありがとうございます。実は自分でも詰めすぎなのは百も承知なのですが、一話でどれだけのことを書きたいというノルマをある程度決めてまして…。そのノルマに追いつけるように書いたところ、このザマに…。他の作品など参考にして研究してみますね！ (2016年9月10日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
藍玉 - julietさん» はい、もちろんそのつもりですよ！…えぇっと、続けて私がコメントしてすみません。…生意気ながらアドバイスなんですが、少し文章が詰め過ぎていると感じるので行を空けてみてはいかがですか？今のままでもとても素敵な作品ですが。…あ、私はシリアスも大好きですよ！ (2016年9月10日 0時) (レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» お返事遅くなってすみません！コメント、ありがとうございます。最近はシリアスが強めなので甘い展開を入れるのが難しいのですが頑張ります！読者の皆さまがどう思っているのか気になっていたので参考になりました。これからもご愛読宜しくお願いします！ (2016年9月9日 17時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月5日 16時
