クッキングコンテスト ページ19
《アランside》
スーツを着た男がこちらへ駆け寄って来る。俺とジユンは怪訝な顔でその男を見る。相当切羽詰まったような顔をしている。
俺の右隣に立つジユンは本当に綺麗だ。いつもメイクしてないそうだが、メイクせずにあの美しい顔は奇跡の賜物だ。出会う人が振り向くような美しさなのに、本人は知らないのか綺麗だと褒められても否定するのが不思議だ。
いつもレザージャケットにレザーパンツの格好でも似合っているのに本気を出すと…ため息が出る。
そこで思考を止めて、傍まで来た男の話に耳を傾ける。
｢あの広場でカップルが参加するクッキングコンテストがあるんですけど、参加予定者がドタキャンになって…後10分で番組が始まるんです！｣
結構話が支離滅裂だったが、言いたいことは伝わった。TV放送が迫ってるのにドタキャンになって焦ったところに俺たちを見つけて、クッキングコンテストに勧誘しているという訳だ。
冗談じゃない。TV放送ということは顔見知りに見られる可能性が高い。その男が肩に斜め掛けにしている襷にはホウエンで名の通っている放送局の名前が書いてある。代表や、ホウエンのチャンピオンに見られたら…！
｢あら、面白そうですね。是非参加させてください！｣
は⁉とジユンを見るとニヤリと笑った。｢料理出来ないと将来、恥ずかしいし、放送する時間も大体の人が仕事中だから知り合いに見られないって｣と呑気に言っているが…。
｢放送する時間っていつですか？｣
｢明日の午後３時です｣
やけに放送するまで早くないか？ほとんど実況放送で流して、いらない部分を適当に切るつもりだな。確かに午後３時は大体の人が仕事中だ。それにジユンの黒い笑みに負けて、ため息をつく。それを見たジユンはことさらニッコリ天使のような笑みを浮かべて男を見る。
｢あ、ありがとうございます‼二人のような美男美女が番組に出演するだけで視聴率がアップしますので大助かりです！｣
｢アランはともかく、お上手ですね。勿論、説明は…｣
男は俺たち二人の背中を押しながら盛んに頷く。余程、時間が迫ってるらしい。広場は幸いにも近かったのですぐに着いた。10組近くのカップルが各自、テーブルについている。
勧誘してきた男からエプロンを受け取る…二つ⁉
｢ほら、早く着て。一人だけエプロンしてないと尚更目立つよ！｣
ジユンは手早くエプロンを着ると俺からエプロンを奪って強制的に着せた。とんでもないことに巻き込まれた…。全くいい加減にしてくれ。
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藍玉 - 読みました！なんだか、大分雰囲気が変わりましたね。とても読みやすいです！話も続きがとても気になります…！私の意見を聞いてくださってありがとうございました。これからも頑張ってくださいね！ (2016年9月10日 23時) (
レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» ざっと研究して、行間を空けて見ました！行間を空けてみるだけで結構読みやすさに差が出ますね…！是非ご確認ください！ (2016年9月10日 22時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» 貴重なアドバイス、ありがとうございます。実は自分でも詰めすぎなのは百も承知なのですが、一話でどれだけのことを書きたいというノルマをある程度決めてまして…。そのノルマに追いつけるように書いたところ、このザマに…。他の作品など参考にして研究してみますね！ (2016年9月10日 5時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
藍玉 - julietさん» はい、もちろんそのつもりですよ！…えぇっと、続けて私がコメントしてすみません。…生意気ながらアドバイスなんですが、少し文章が詰め過ぎていると感じるので行を空けてみてはいかがですか？今のままでもとても素敵な作品ですが。…あ、私はシリアスも大好きですよ！ (2016年9月10日 0時) (レス) id: 2a90760f0b (このIDを非表示/違反報告)
juliet(プロフ) - 藍玉さん» お返事遅くなってすみません！コメント、ありがとうございます。最近はシリアスが強めなので甘い展開を入れるのが難しいのですが頑張ります！読者の皆さまがどう思っているのか気になっていたので参考になりました。これからもご愛読宜しくお願いします！ (2016年9月9日 17時) (レス) id: 294ccbef1a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sweetspring | 作成日時：2016年9月5日 16時
