第1話 同僚の部下 ページ2
私こと、小泉Aは、ポートマフィア所属の構成員。地位はあまり高くはない。
主に単独任務を執り行っている。
今日は、他組織の情報集めをした。
其の帰りの人気の無い、真っ暗な路地裏で。
「……小泉」
芥川龍之介とばったり遭遇した。
「久し振りだね」そう言って薄く笑う。
因みに芥川とはほぼ同時期にマフィアに所属のしたので同期である。
そして、実は──私の想い人だ。
通常より高鳴る鼓動を必死に堪える。
「──って、あれ。あの子は……？」
とある違和感に気付く。
「直に戻ってくる」
芥川がそう言った瞬間、其の向こう、暗闇から此方にばたばたと走ってくる足音が聞こえる。
芥川が、珍しく溜め息を吐く。
あぁ、此れは。
「──芥川先輩！」
暗闇から出てきたのは、私が思っていた通り、
「樋口ちゃん」
其の子だった。
すると樋口は私の存在に気付き、此方を驚いた様に見る。
「え、あ、小泉先輩っ！？ えっと、お早う御座います…！」
「今はもう、こんばんはね」
「あっ」
恥ずかしさに頬を赤く染める樋口。私はその姿を見て思わず笑みを零す。
「樋口ちゃんやっぱ良いね。凄く好き。そういう所」
すると樋口ちゃんは、お褒めに預かり光栄です、と深々とお辞儀をした。
私は特に何と言う訳でも無く、芥川に向かって口を開いた。「あーあ、私も樋口ちゃんみたいな部下が欲しかったなー」
そしたら真顔で、
「貴様が欲するのならば、こんな役立たずなぞ呉れてやるが」
と、言って来るもんだから、樋口ちゃんが傷付いたか心配になり、そんな事言っちゃ駄目でしょ、と軽く睨み、フォローをしようと樋口ちゃんに視線を向けたが──自意識過剰かもしれないが──彼女は満更でも無さそうに、俯いてもじもじしていたから、結局声を掛けるのは止めた。
「まあ……、私は単独任務専門だからなあ」
「何だ……頭領に、身近に部下を置くよう言われて居ないのか？」
「ううん、言われたよ。だけど、今の所は必要ない、って伝えたの。頭領に良い人材を紹介するよとか言って頂いたんだけど、私、主従とか苦手だし、今の所は1人でも大丈夫かなって思って」私は、首筋辺りを手で擦(さす)った。
すると芥川は、訝しげに眉間に皺を寄せ、「……、そうか」何かを透かして見るかの様に、ぽつりと呟いた。
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叶葉和音 - 皆様、コメント本当にありがとうございます！皆様のお言葉は、これからの作者の励みになります…！更新は諸事情により、だいぶ不定期とかのレベルではないくらい遅いですが、どうか見守って下されば幸いです。 (2017年3月11日 4時) (
レス) id: c4535f63fb (このIDを非表示/違反報告)
黒蝶貝@ - 樋口さん好きなので嬉しいです！更新、頑張って下さい。 (2016年12月19日 17時) (レス) id: 96554d5c1c (このIDを非表示/違反報告)
しろ - 全裸待機ですwww (2016年12月13日 22時) (レス) id: c502ce4b81 (このIDを非表示/違反報告)
桃月(プロフ) - こういうの待ってました！！続きが気になります！！更新頑張って下さい！ (2016年12月13日 7時) (レス) id: 7b012793f7 (このIDを非表示/違反報告)
虹夏音 - 更新待ってます！ (2016年12月11日 16時) (レス) id: 60acc756ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：叶葉和音 | 作成日時：2016年12月4日 15時
