45.幻なら御免 ページ10
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なんとか出番が終わって、楽屋のソファに沈みこむ。
周りを見渡して、昼間に言われたことを考えるけど……彼氏(屈強そう)になれそうな人が見当たらない…。
「1週間後に織部さんと会えるって」
「あ、そうなんや」
「クソ男に対してなんでこっちが出向かなあかんねん。しかも1週間後って時間取りすぎやろ」
出番の合間に山本さんに相談して、直接話ができるように時間を作ってもらった。
何事もなく、普通に仕事が進んでいれば、本当の打ち合わせはもうちょっと先だったから。
「てか、今日はどうすんの？俺はこのあと配信あるけど…」
「んん〜…今日は〜〜…」
「あ、安達ー今日時間ある？」
濁していると、野川がタチマチの安達に声をかける。
「はい、ありますよ」
「ちょっとAの話聞いたってや」
「え、」
「ラグビーやってたんやし、良さそうやん。じゃ、」
なんだか、野川のノリが、本当の彼氏を作る、みたいな感じでニヤニヤしている気がする。
こっちは大変やねんぞ…後輩に迷惑もかけて…。
「どうされました？」
「ん〜〜、どう説明したらええかな…」
「？」
「あ、待って、そもそも安達って彼女おる？」
「彼女？いませんよ？」
「そうか…。んまぁ、もう端折って言ってしまうと、」
「何の話？」
どこからともなく、永見が現れる。
え、午後マンゲキにおらんかったやん…。
「あ、朝の話さ、安達に頼もうと思って、」
「それなら僕で決まってたやん？」
え、？
どういうこと…？
「安達ごめんな。呼んどいて悪いけど、何もありません」
「えぇ？そうなんですか？」
「お帰りいただいて結構です」
「え、なんか酷ないですか…」
永見がそう言って、しっしっ、と手を振る。もしょもしょ…と何か言いながら困った顔して安達は帰っていった。そりゃそうだ、後で謝らな。
の前に、この人。
「永見、話したいから外行こう」
「うん」
劇場じゃ話せない。感情が膨らんで、冷静でいられなくなると思ったから。
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里佳子(プロフ) - 夏子さん» 初めまして。こちらこそ、そんな風に言っていただけるなんて…嬉しい限りです。ありがとうございます！！長編が終了しましたので、ちょこちょこ短編を書く予定です。見て頂けると幸いです！ (10月5日 16時) (
レス) id: 9634fe61f2 (このIDを非表示/違反報告)
夏子 - 初めまして。完結おめでとうございます。完結を嬉しく思うとともに寂しくもあります。言葉や雰囲気が綺麗で、それでいて少し苦く、とても引き込まれる素敵な作品で大好きです。また里佳子様のお話が読めることを願っています。お身体ご自愛くださいませ。 (10月4日 22時) (レス) id: 17842af8c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：里佳子 | 作成日時：2023年7月20日 23時
