41.＿＿（nagami side） ページ6
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誰かと凄い勢いでぶつかる。結構な衝撃で、腹から変な声が出た。
狭いところでこんな猛スピードで走らんでも…と思いながら見ると、そこにはAが。注意しようにも、今まで見たことがない、号泣した顔。
「え、え、なんで泣いてんの」
僕もびっくりして、声が裏返る。Aは両手で涙を拭っていた。
「あの、うん、問題ない」
「そんな泣いてて、ただ事やないやん」
どう考えても何もないことはない。Aがこんな風に泣くなんて、絶対大きな何かがあったのに。
同期の僕にも、隠したいような何かが。
「ごめん、あとで説明するから今は一人にさして」
「けど、」
Aの左手を掴む。すると、Aは目を大きく開くと同時に、ばっと僕の手を払った。
「汚いから触らんといて！」
「え、」
するりと手が離れて、Aは階段を下りる。
え、僕の手が、汚いってこと、？
いや、そんな意味じゃ、ないとは思うけど、。
自信が、ない。
ただ今はそんなこと重要じゃない。僕が汚いなら汚いでいいけど。様子のおかしいAを放っておけない。
スマホを取り出してAに電話をかける。出ない。
それならとメッセージを残す。あとは野川だ、急いで楽屋に向かった。
「野川ーおる？」
「お？はーい、どうしたー」
野川が少し遠くから歩いてくる。見た感じ普通の表情。
「Aから、なんか聞いてる？」
「A？え、なんやろ、特に何も…なんで？」
「LINEも何も来てへん？さっきさ、廊下でぶつかったんやけど、めっちゃ泣いてて…」
「は？あいつが？」
「うん。しかも今は何も言いたくないって言って、どっか行ったんよ」
「そうなん…なんやろ、電話してみる」
野川がAに電話をかける。数コール目で、向こうからもしもしという声が聞こえた。気になって野川のスマホに耳を近づける。
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里佳子(プロフ) - 夏子さん» 初めまして。こちらこそ、そんな風に言っていただけるなんて…嬉しい限りです。ありがとうございます！！長編が終了しましたので、ちょこちょこ短編を書く予定です。見て頂けると幸いです！ (10月5日 16時) (
レス) id: 9634fe61f2 (このIDを非表示/違反報告)
夏子 - 初めまして。完結おめでとうございます。完結を嬉しく思うとともに寂しくもあります。言葉や雰囲気が綺麗で、それでいて少し苦く、とても引き込まれる素敵な作品で大好きです。また里佳子様のお話が読めることを願っています。お身体ご自愛くださいませ。 (10月4日 22時) (レス) id: 17842af8c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：里佳子 | 作成日時：2023年7月20日 23時
