59.＿＿ ページ24
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「な、永見っ、」
「…」
「あの、あり、がとう。ほんま、信じられなくてあれこれ聞いてしまったけど…、その、じわじわと…」
気持ちが本当だって理解できてきた。
ただそれを言葉にするのは照れくさくて、せめて目を見ながらうんうんと頷いた。
「…、付き合って…もらえますか…？」
改めて私から聞く。心臓がばくばくと耳元でうるさい。
「はい」
永見が大きく返事をした。それはちゃんと、聞こえた。
「隣、行っていい？」
「あ、はい」
永見が立ち上がって、私の隣に来る。
どしっと座ると、大きいため息を吐きながら、永見は頭を私の肩に置いた。
「え、ちょちょ、ま、」
「ビビった…」
「え？な、なにが？」
「A、全然OKって言わんから、あれこれつけて、断る理由探してんちゃうかって…」
「いや、ちゃうんです…テンパり過ぎてて…今もまだ実感ないし…」
「こんなに近くにおって実感ないん？」
顔をあげて、本当に近い距離で私に圧をかけてくる。
「ち、近い！今度こそ眼鏡割る！」
「じゃあ外す」
「？！外したらっ、」
もっと永見のきれいな顔が見えてしまう、と阻止したかったのに、永見は眼鏡を外してしまった。
顔が熱くて爆発する、そんな風に思ったが、何故かそこでスッと冷静になれた。眼鏡外したら、私の顔もそんなに見えてないだろうから、慌てずちゃんと話せそう。
「…？」
「…永見の顔は、ね、そら好きなんやけど、それよりもっと前にちゃんと中身も見てるからな」
「あ、うん」
「同期やからっていうのも大きいと思うけど、お笑いのことについて聞いたり聞かれたり、話してるうちにええなぁって思ってたから」
「…」
「永見が伝えてくれてから、私も伝えんと、な」
「…嬉しいけど、急に冷静やん」
「慌てて伝えられんままなのはイヤやから…それに、」
さっき思ったことを言おうとしたが、それを話してしまうと、いいように使われる気がする。
…ここは黙っておこう。
「…それに？」
「ううん、何でもない」
「え、何でもないことなくない？言おうとしてたやん」
「間違えた」
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里佳子(プロフ) - 夏子さん» 初めまして。こちらこそ、そんな風に言っていただけるなんて…嬉しい限りです。ありがとうございます！！長編が終了しましたので、ちょこちょこ短編を書く予定です。見て頂けると幸いです！ (10月5日 16時) (
レス) id: 9634fe61f2 (このIDを非表示/違反報告)
夏子 - 初めまして。完結おめでとうございます。完結を嬉しく思うとともに寂しくもあります。言葉や雰囲気が綺麗で、それでいて少し苦く、とても引き込まれる素敵な作品で大好きです。また里佳子様のお話が読めることを願っています。お身体ご自愛くださいませ。 (10月4日 22時) (レス) id: 17842af8c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：里佳子 | 作成日時：2023年7月20日 23時
