55.綿雲を望む ページ20
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A「またや……」
翔生から「安達がお前のボディガードやってるって聞いたけどなんかあったん？」と言われ、翔生には話しておくかと、ご飯に行くことにした。
約束したお店に着いて、先に来ていた翔生に個室の部屋番号を教えてもらって入れば、いつかのデジャヴ。永見が座っていた。
あの言葉を聞いたのが最後だったから、目の前にいるなんてどうしたらいいか分からない。
大「永見がアナタにおこです」
A「…はい」
あのあと、永見からご飯の日程を確認するLINEが来ていたのだが、あの言葉で混乱してしまって未読のままにしていた。
楽屋でもなるべく会わないようにこそこそと移動して、子どもみたいだと自分でも思っていた。
A「連絡無視しててごめんなさい」
永「それも怒ってるし、安達とご飯行ったときにお酒飲んだって聞いた」
A「…？」
永「しばらくやめとくって言ってなかった？お酒で嫌な思いしてんのに、なんで飲んだん」
A「あー、疲れてたから、ちょっとね…。安達おるし大丈夫やろって、」
永「…僕がおったときもぐだぁってなって、歩道で尻もちついたくせに？何が大丈夫？」
あのときは、永見に振られる前で、ずっとずっと永見のことを考えていたから酔いやすい状態だっただけで。今回は一口だけにしたし、意識もはっきりしていた。
永「それに、安達が大丈夫ってなんで思える？」
A「え？」
永「あんなことあったあとに、危機感が足りなさ過ぎるやろ。なんも学んでへんやん」
A「な、何が？」
永「え、なんで伝わらん？」
A「ごめん、分からん…」
永「はぁ……Aは頭が悪い！」
びしっと指を差されながら言われる。
こんな永見、見たことない。相当キレている。
永「織部さんからもご飯誘われたんやろ？そんときは何で行った？」
A「えっと…仕事相手だったのと…まぁ親睦を深められたらなと…」
永「で、最悪なことになったやん。安達にも同じことされるかもっては思わなかったん？」
A「まさか！安達はそんなことせえへんよ！」
永「なんで分かる？」
A「えぇ…だってボディガード頼んだし…」
永「Aは安達を信頼してたと思うけど、安達はボディガード以上の関係になれたら、って思ってたみたいやで？」
そう言われて、織部さんとの会話を思い出す。
あのときも、それ以上の関係を望みます、なんて言われた。
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里佳子(プロフ) - 夏子さん» 初めまして。こちらこそ、そんな風に言っていただけるなんて…嬉しい限りです。ありがとうございます！！長編が終了しましたので、ちょこちょこ短編を書く予定です。見て頂けると幸いです！ (10月5日 16時) (
レス) id: 9634fe61f2 (このIDを非表示/違反報告)
夏子 - 初めまして。完結おめでとうございます。完結を嬉しく思うとともに寂しくもあります。言葉や雰囲気が綺麗で、それでいて少し苦く、とても引き込まれる素敵な作品で大好きです。また里佳子様のお話が読めることを願っています。お身体ご自愛くださいませ。 (10月4日 22時) (レス) id: 17842af8c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：里佳子 | 作成日時：2023年7月20日 23時
