51.＿＿ ページ16
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京都に着く。号車の番号をLINEで教えたから、ドアが開いてホームに降り立つときには、目の前にもう永見が。
「はい、衣装」
「ありがとう。本当にすまん」
「いいから、早よこれ乗り！話は後やって」
私が乗って来た新幹線に乗れと指示する。
が、永見は動かない。
「次来るの数分やし、ゆっくりお礼言わせてや」
「え、ちょ、もう出発してまう、」
「話聞いてる？」
ぐいっと、顔を覗きこまれる。
そんなことをしているうちに、チャイムが流れ、扉が閉まり、ゆっくり動き出してしまった。
「あーあ、行っちゃった」
「すぐ来るから」
透き通った永見の声がしっかり聞こえる。
ガタンガタンと大きな音が響くのに、私たちの周りは静まってるように思えた。
「勝手な行動をしてすみませんでした」
「え？」
「ほんまはスタッフさんとかにお願いすべきやったって分かってるんやけど、一人のほうが早く動けるし、…」
「いや、めっちゃ助かったで」
「…大半は、そう思ってもらえたら嬉しいなっていう邪な心からやで」
そう言うと、永見は黙る。
違う、こんなことを言いに来たんじゃない。
「あの、別にAの…」
「すまん変な懺悔した！さ、早よ東京に行ってください！」
「…いや、これこんな短時間で話せる内容ちゃうわ。お礼もしたいし、今度ご飯、一緒に行け」
「な、なんで強制なん？！お礼なんて要らんよ！むしろ昨日のお礼がこれです！はい、おあいこ！」
急がなければ、という理由をつけて私は永見に会いに来てしまった。仕事以外で近くにいったらいけないと何度も思っていながら、こうやって私利私欲で。
結局永見のことを何も思いやっていない。
「じゃあ、衣装忘れたのAのせいやわ。その責任取って」
「え、」
予想だにしていなかったことを言われる。
えっと…、なんで…、なんでだろう。
脳をぐるぐる回転させているうちに、次の新幹線のアナウンスが流れ、大きな金属音が聞こえてきた。
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里佳子(プロフ) - 夏子さん» 初めまして。こちらこそ、そんな風に言っていただけるなんて…嬉しい限りです。ありがとうございます！！長編が終了しましたので、ちょこちょこ短編を書く予定です。見て頂けると幸いです！ (10月5日 16時) (
レス) id: 9634fe61f2 (このIDを非表示/違反報告)
夏子 - 初めまして。完結おめでとうございます。完結を嬉しく思うとともに寂しくもあります。言葉や雰囲気が綺麗で、それでいて少し苦く、とても引き込まれる素敵な作品で大好きです。また里佳子様のお話が読めることを願っています。お身体ご自愛くださいませ。 (10月4日 22時) (レス) id: 17842af8c6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：里佳子 | 作成日時：2023年7月20日 23時
