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「まさか、本当に俺と食事してくれるなんて思わなかった」



「せっかくのお誘いでしたので」





綺麗な双眼を細めて、満足そうにワイングラスを傾けた幸村さん。断れないようさっさと予約を済ませていたのはどこのどいつだ。

大きなお皿にちょこんと置かれたステーキをひと口。近所のスーパーに売っているお肉とは、たぶん、絶対違うんだろうな。





「…、あの4人とはいつもどこで食べてるの?」



「事務所の近くの中華料理屋だったり、韓国料理屋だったり、個室のある居酒屋とかですかね」



「へー、今度俺も連れて行ってよ」



「是非、機会があれば」





どうも続かない会話に、居心地の悪さを感じてしまう。しかし、そう思っているのは私だけなのか、幸村さんは至って普通に食事を楽しんでいるようだった。

残り少ないワインをちびちびと飲んで、なにを考えているのかわからない彼の様子を窺った。





「彼とは…、仁王とは、随分仲が良いようだね」



「え?」



「いや、別に大した意味はないんだ。ただ純粋に、仲良しだなと思っただけ」





嘘つけ。

大きく跳ねた心臓。別に疚しいことなんてないのに、自分の中にしまわれている気持ちが先走ってしまっていた。

幸村さんは特に気にする様子もなく、固まっていた私と目が合うとにこりと微笑んだ。





「仲良くなることはいいことだ。けど、彼はアイドルで、君はただのマネージャーに過ぎない」



「…、なにが言いたいんですか」



「いいや、我が社の人気アイドルとそのマネージャーの心配をしているだけだよ」





やっぱり、私はこの人のことが心底苦手である。

全てを見透かしているような瞳も、能面のような笑みを浮かべる整った顔も、なにを考えているかわからない頭も。





「君が、仁王に対してどんな感情を抱いているかはわからないけど、きっと彼は、君に対してそういう感情を抱いている」





何もかも知っているような口ぶり。





「それでも、君はマネージャーだ。彼らを支え、あらゆる災難を出来るだけ回避しなくてはいけない」



「分かっています」



「もちろん、プライベートを持ち込むのは持っての他。メディアの良い餌食になってしまうよ」





随分と諄い言い回しに溜息がでかけた。彼の言っていることはもっともであった。が、その言葉をそのまま受け入れたくはないと思う自分がいた。

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紗昧(プロフ) - 悠莉さん» 私欲だけで書いている物語を楽しんでいただけて嬉しいです。ありがとうございます^ ^ (2020年5月2日 18時) (レス) id: 12922a096f (このIDを非表示/違反報告)
悠莉(プロフ) - →ですが、青い鳥に書くのなら△△さんみたいに書くだろうなーと想像しながら読んでいました!とにかくみんなかわいいです!これからも更新頑張ってください!楽しみに待っています! (2020年5月2日 5時) (レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)
悠莉(プロフ) - 初コメ失礼します!立海ヤング漢のアイドルパロ、いつもとっても楽しく読んでいます!マネージャーなんて羨ましい!と思いながら読んでいたので□□さんに共感しました!むしろ私の気持ちそのものです!→ (2020年5月2日 5時) (レス) id: 5c790ea34a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗昧 | 作成日時:2020年4月27日 18時

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