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「レオナおじたん!」
「あ〜……クソ。うるせぇのが来た」
純粋に懐いている少年に、レオナ先輩は頭痛を堪えるような顔をする。
だけど、私たちはそれよりも強い衝撃が走っていた。
「レオナ、おじ………たん?」
「この毛玉は兄貴の息子のチェカ。…………………………俺の甥だ」
「「「お、甥〜〜〜〜〜〜〜〜!?」」」
レオナ先輩の言葉に、私たちは一斉に声を上げる。
ラギー先輩なんか驚きのあまりチェカくんを凝視している。
「ってことは、これが王位継承権第一位の……?」
「え、この子が……!?」
ラギー先輩の言葉に思わず私もチェカくんを見る。
だけど彼は無邪気にレオナ先輩にくっついていた。
「おじたんの試合、カッコ良かった!今度帰ってきたら、僕にもマジカルシフト教えて!」
「わかった。わかったから、耳元で大声出すな。お前、お付きのヤツらはどうした?今頃泡食って探してるぞ」
「おじたんに早く会いたくてみんな置いて来ちゃった。えへへ」
悪びれるなく笑う甥に、さすがのレオナ先輩も頭を抱える。
これは………レオナ先輩、そうとう扱い辛いわね……。
「え……っと。レオナ先輩の苦悩の種って……」
「この子どもみたいね……」
「しかもめちゃくちゃ懐かれてるんだゾ」
そういえば、ライオンって家族を大切にする生き物よね。
さすがの彼も忌み嫌っている周囲と違い、親愛を向けているこの子に手を出すことなんて真似はできないようね。
「うるせぇな。……じろじろ見てんじゃねぇ!」
じっと見つめる私たちの視線を手でシッシッと払うが、やはり注目してしまう。
「ねえねえ、おじたん!次いつ帰ってくるの?来週?その次?あっ、僕のお手紙読んでくれた?」
「あー、何度も言ったろ。ホリデーには帰……痛っ、おい、腹に乗るな!」
チェカくんはいつの間にかレオナ先輩のベッドに昇り、彼のお腹に乗っかっている。
わぁ、すごい。
「レ、レオナ先輩の腹にずかずかと馬乗りに!?」
「プッ……あはは!こりゃ大物ッスわ。レオナさんが実家に帰りたがらないのこういうことだったんスね」
ラギー先輩が笑っていると、チェカくんは首を傾げながら言う。
「みんな、おじたんの友達?
「くくくっ。そーそー。おじたんのオトモダチ。ね〜、レオナおじたん!」
「お、おじたんって……ッ!アハハ!いでで、笑ったら傷に響く〜〜」
「てめーら笑ってんじゃねぇ!後で覚えてろ……!」
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2020年12月6日 1時