【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ8)

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シルバー先輩がそう叫んだ直後、リリアさんが目を見開いた。

「『祝福』……あ、ああッ！」
「リリアさん！？」

突然悲鳴に似た叫びを上げて、頭を抱えるリリアさん。
だけど、すぐに顔を上げると大きく口を開けて笑った。

「ふ……くふふっ……。ははは！あははははは！！よくぞ言った。それでこそ、わしの弟子じゃ」
「え？弟子、って……」
「ようやっと頭がハッキリしてきおったわ。全て思い出したぞ、シルバー、セベク。それから……グレムに、A！」
「「「リリア様！/親父殿！/リリア先輩！」」」

ようやく目が“醒めた”リリアさん――いや、リリア先輩が私たちに笑顔を向けた。
そしてツノ太郎に立つと、リリア先輩は不敵な笑みを浮かべる。

「わしは随分と長い昼寝をしていたようじゃ。やってくれたのう、マレウス！」
「チッ……完全に“醒めた”か、リリア！……だが、心配はいらない。まらすぐに寝かしつけれやろう」
「は！このわしを寝かしつけると言ったか？生意気に育ったもんじゃのう。やれるものならやってみよ！」

意気揚々にそう宣言するリリア先輩は、何故か踵を返す。

「皆のもの、わしに続け！一時退却じゃ―――――！！」
「……って、逃げるの！？あんなに堂々としてたのに！？」

そして、まさかの敵前逃亡。
右大将時代と激しいギャップの差に戸惑いながらも、私たちも『揺籃の塔』を出て行く。

「フフフ……追いかけっこか？お前とこうして戯(じゃ)れあうのは、何十年ぶりだろう。時間はいくらでもある。楽しもうじゃないか、リリア！ククク……アハハハハハ！！！」

背後で、ツノ太郎の高笑いが塔中に響き渡った。