【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ29)

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「……お前がイデアにコンタクトをとるにあたって、ひとつ大きな懸念がある」
「懸念？」
「夢の中のイデアが、現実を……お前を拒絶する可能性だ」
「……！」
「お前も見ただろう。イデアの部屋から、お前のメンテナンス・ドックが無くなっていた。それがなにを意味するのか……分からないお前ではないな。ORTHO(お前)にまた辛い思いをさせることになるかもしれない」

そう、きっとイデアの夢の中の『オルト』は、魔導ヒューマノイドではない、あの悲劇で失われたはずの『オルト』だ。
もしここで今の『オルト』が行けば、彼は自分を拒絶するかもしれない。
それをこの優しい両親は心配しているのだと、わからないオルトではない。

「…………」
「まずは心理学の博士号を持つプロフェショナルにコンタクトを試みてもらうつもりだ。なるだけ混乱を生まず、穏便に事態の説明を――……」
「心配しなくても、大丈夫だよ」
「「え？」」
「だって、兄さんだもん。きっと……『パソコンの中から美少年ヒューマノイドが拙者に助けを求めている！？ラノベで5億回読んだ展開！ついに拙者が選ばれし者となる“その刻”がきてしまったってこと！？』……とか言うよ」
「……いや、流石のイデアもそこまででは……」
「ママは、ちょっと言いそうだなって思っちゃった」

オルトのイデアの予想リアクションを見て、所長は戸惑い、主任は苦笑いする。

「反応はどうあれ、きっと兄さんは僕らの話を聞いてくれる。2人とも、知らないの？イデア・シュラウドは、『S.T.Y.X.』の所長と技術部主任が育てた“異端の天才”だよ？穏便な手段で遠回りするくらいなら、ショトカで催促攻略を選ぶに決まってる！」

そう自信満々に言い切ったオルトの顔は、相変わらず無邪気そのものだった。