【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる34 (ページ29)

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No side

「この先は行かせない！俺が相手だ！」
「はっ、小僧1人に何ができる！橋ごと谷底に叩き落してくれる。装甲掘削機、全速前進！」

キャタピラをぐるくる動かして迫る装甲掘削機。
警棒を構えたシルバーが魔法を唱えようとした直後、

「――『曇天を衝け、雷光よ』！『迅雷一閃(リビング・ボルト)』！！」
「「「ぐわあああああ～～～～～～～～～！！！」」」

見覚えのある稲光が、『銀の梟』を薙ぎ払った。

「この稲光は……」
「ま、まだこんなところでもたもたしているとは……途中、い、居眠りでもしていたか？はががッ！」
「セベク！その装備は……！？」
「ふ、ふふっ、気づいたか！ぞ、存分に見せびらかしてやりたいところだが……それは目の前の敵を片付けて、からにしようッ！ふがッ！」
「新手か！ぐぬぬ、装甲掘削機の復旧を急げ！」

近衛兵姿のセベクの登場で装甲掘削機が動かなくなり、『銀の梟』が慌てて復旧に向かう。

「そうはさせん！はぁあッ！」

だが、その前に見覚えのある鰐の面がそれを破壊した。

「貴様らごとき下賤の輩に、崇高なる霊峰の地を1歩たりとも踏ませてなるものか！全員ここで丸呑みにしてくれる！！！」
「バウル殿！ご無事で……！」
「……フン。貴様もよくぞここまで生き残ったものだ。そのしぶとさだけは認めてやろう」

シルバーを見て、面越しで笑うバウル。
その時、3人の前に蝙蝠の大群が現れ、1人の戦士が降り立った。

「フッ……どうやらお前もくたばりぞこなったようだな、バウル」
「右大将殿！バウル・ジグボルト、遅参いたしました」
「リリア様！卵様とAたちはどこに？」
「橋の向こうの安全な場所に置いてきた」
「あなたもそこで休んでいてくだされば……！」
「馬鹿野郎。この大一番に対象が寝ていられるかよ。心配すんな。傷は塞がってきてる。魔の山の加護サマサマだ」

そう言って、リリアは己の得物である魔石器を抜いて、『銀の梟』と対峙する。

「さあ『銀の梟』ども……逃げ出すなら今のうちだぜ」
「ふん、満身創痍のくせに強がりおって、たった4人で何ができる。必ずや貴様の髷とドラゴンの卵を持ち帰り、英雄となってみせよう！貴様らの天かもここまでだ……怪物どもめ！！」

直後、鍛え上げられた剣を抜いた『銀の梟』たちは、リリアたちに向けて突撃した。