EPISODE7-73-7 野ばら城まで、あと少し ページ36
「「「リンリン……♪」」」
鈴のような声。
聞き覚えのあるそれに視線を向けると、水の妖精たちが私たちの周りを飛んでいた。
「あれは……水の妖精たち？」
「おぉ〜！あちこちあった傷が治っていくんだゾ」
「喉の渇きも癒えていく。ありがたい！」
妖精たちは魔法で私たちの傷を治していくだけでなく、喉も潤してくれる。
「「リンリン……♪」」
「ああ、言われずとも分かってる。必ず姫様を助けてみせるさ」
妖精たちにお礼を告げてから、私たちは先に進んだ先で息を呑んだ。
かつて通った翠が原。そこが今、ひどいくらい荒れていた。
「見ろ。地面のあちこちにキャタピラーの跡が……」
「草も木もめちゃくちゃになっちまってるんだゾ」
「まさか、『銀の梟』と近衛隊がここでぶつかったのか？」
「だとしたら、負傷者がどこかにいてもおかしくないはず……」
私がそう言った時、タイミングよく近衛兵が叫んだ。
「ギャギャーッ！」
「！！右大将殿、2時の方向に誰か倒れております！」
「あの鎧は……転移魔法で先に戻った近衛兵か！？」
地面に倒れているのは、見覚えのある近衛兵。
野営を共にする内に、言葉は通じなくてもそれなりに親交があった妖精が、傷だらけで倒れていた。
「おい、しっかりしろ！他の者はどうした？」
「ガウゥ……ガゥ……。ガルル……」
「なっ……皆、鉄のからくりと夜明けの騎士に？」
「残った近衛兵とマレノア様は、野ばら城に……わかった」
「ガウゥ……」
「俺たちが来たからにはもう大丈夫だ。よく戦ってくれた。ゆっくり休め。……夜の祝福あれ」
リリアさんの言葉に安堵し、近衛兵は体を弛緩させながら眠る。
その時、耳障りな鎧の音が聴こえてきた。
「あれは……竜の懐刀・ヴァンルージュ！？」
「東の砦で討たれたはずでは！？どうしてここに！」
「右大将殿、新手が！」
「さっさと片付けるぞ。野ばら城までもうすぐそこだ！」
リリアさんが魔石器を手にすると同時に、私たちは『銀の梟』と戦い、無事勝利を収めた。
怪我をした近衛兵を運びながら、私たちは『銀の梟』を置き去りにしてその場を去る。
目的地である、野ばら城を目指して。
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ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ！やばかったです！多分夢主のことですから、フェローを見て（あの人、良い毛皮が取れそう……）と最初に思いますね！ (10月16日 22時) (
レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか！？何もかもやばかったですね！開始が待ち遠しいです！この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです！ (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年8月14日 17時
