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私たちの言葉に、ツノ太郎はわけがわからないとばかりに首を傾げる。
「ここが夢の中だと?ははっ、面白いことを言う。お前たちも寝ぼけているようだな。シルバーの昼寝に付き合ったのか?
僕たち3年は進級したら学外研修に行くことが決まっている。僕は赤竜の国の遺跡調査に、リリアは英雄の国にある魔導補装具の企業へ行くそうだ」
「魔導補装具って……医療福祉に使われる、あの?」
「おう、そうじゃ。茨の谷は機械文明を忌み嫌う者も多いが……技術を持ち帰れば、役に立つことも多いだろう」
「さすがはリリア様。茨の谷の未来と発展を見据えておられる」
「親……リリア先輩。茨の谷に……あの森の家に、戻るんですか?」
「ん?無事に卒業試験を突破できれば帰郷するつもりだが……なぜそんなことを聞く?茨の谷は、わしらの故郷。お主と暮らしたあの森の家こそ、わしの終生の住処よ」
「……………………」
ああ、なんて残酷な夢なのだろう。
きっと、あの人は知っている。
リリア先輩がちゃんと考え、退学したことも赤竜の国に移住することを。
その覚悟を……こんな作り物の夢によってすべて消された。
こんなの……現実のリリア先輩に対する侮辱だ。
これを生み出したジグボルトくんも、その元凶であるツノ太郎も!
何故、どうしてこんなひどい真似ができる!?
「どうした、シルバー?顔が真っ青だぞ。まるで悪い夢を見ているような顔じゃ。無理をせず、部屋に戻って休め」
「……………………っ。そのとおりです、リリア先輩。これは……全部、悪い夢だ。俺たちを眠りの中に引き留めようとする、都合のいい夢」
「「「え?」」」
リリア先輩からの労いを皮切りに、シルバー先輩は鋭い目つきでそう言い切った。
「おいシルバー、趣味の悪い冗談はよせ。祝いの席だぞ!」
「冗談なら、どれだけ良かったか……!」
「は?何を言ってる。まだ寝ぼけているのか、貴様!?」
「思い出せ、セベク。お前が眠りに落ちる前のことを!」
「眠りに落ちる……前?」
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ブロッサム(プロフ) - 単純にルナ(月)+ティア(涙)を合わせただけです! (7月4日 21時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 以前から気になっていましたが、ルナティアの由来はなんですか? (7月4日 21時) (レス) @page37 id: 2608239bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - また誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - あと、同じ27ページのグリムのセリフの最後の辺りが混雑してますが… (6月17日 18時) (レス) @page27 id: dde337a564 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年6月7日 0時