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EPISODE7-23 食欲オーネスト! ページ2

No side

「――失礼します」

賑わう談話室で、静かな声が響く。
だけど、声の主の普段を知る者たちにとって、その言葉すらも聞き間違いだと思うほどだった。

「本日はヴァンルージュ様の門出を祝う素晴らしき会にお招きいただき……誠にありがとうございます」
「これはこれは……驚いたのう。よもやお主らがわしの招待に応じてくれるとは。よくぞ来てくれた。レオナ、ラギー」

リリアの前に現れたのは、レオナとラギー。
マジフト大会では姑息な真似をして、ディアソムニアに危害を加えようとした主犯。
その2人の登場に、ディアソムニア寮生たちは少しだけ殺気立つ。

「はっ。よく言うぜ。トカゲの周りを飛び回ってるコウモリがわざわざ最後にツラ貸せっていうからには……てっきりいつぞやの“お礼”かと思って楽しみにしてたんだがな。まさか本当に飲み食いするだけの集まりだとは」
「オレも……『今日のメインディッシュはこやつらの丸焼きじゃ〜!』……とか言われるの覚悟してたッス」
「くふふ。マジフト大会(いつぞや)の件については、とっくに手打ちが済んでおろう。わしもあの時は子猫ども相手に大人げなかったと反省しておる。お互い水に流そうではないか」
「フン。今日がお前の胡散臭い顔を見る最後の日になるかと思うと、実に清々しい気分だ」
「いやぁ、オレは逆にリリアさんにはキッチリ卒業までこの学園にいてほしかったッスけどねぇ。だってリリアさんが居なくなったら、マレウスさんが野放しになるわけでしょ?」

ラギーの言葉は、誰もが思ったことだ。
マレウスは生徒だけでなく、教師ですら止めることのできない魔法士。
そんな彼のブレーキ役であるリリアがいなくなることは、学園中に危機感を抱かせるには十分な影響力がある。

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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (6月1日 14時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね! (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました!更新!メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね!更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年3月11日 2時

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