EPISODE7-16 邂逅レジェンド! ページ35
No side
リリアから指輪を受け取り、なくさないようブレザーのポケットに入れていると、セベクが笑顔でリリアを呼ぶ。
「リリア様ッ!!全てのお召し物を季節ごとに仕分け、ベッドの上に並べ終わりました!!!」
「この狭い部屋でそんな大声出さんでも聞こえておるわい」
「はっ、申し訳ありません。時にリリア様、クローゼットの中にこのような物があったのですが……」
リリアに諭されセベクは頭を下げると、クローゼットに入っていたものを見せた。
それは銀に似た鉱石と緑色の石が合わさった鉈のようなものだった。
茨と葉、そして薔薇の細工が施されていて、緑色の石は照明の明かりを受けて煌々と輝いていた。
「ああ。それはわしが現役時代に浸かっていた魔石器じゃな」
「なんと、これが!?茨の谷最強の近衛隊右大将たるリリア様の武勇を支えた相棒たる魔石器!」
「えぇっ!?」
何故かひどく驚くシルバーを横目に、セベクは恍惚な表情で語る。
「戦場でのリリア様の武勇は、祖父から何度も聞かされてきました。美しい魔石器から放たれた魔法は凄まじく……敵はなすすべもなく地に伏すしかなかったとか。はぁ……なんと美しい」
手に持つ魔石器を見て、セベクはうっとりとしながらため息を漏らす。
「目を眩むほどの魔法石の輝き、そして石を覆う銀の細工の繊細さも見事です!むっ!もしやこの細工に使われているのは銀ではなく……持ち主の魔力により姿を変えるという希少な魔法金属『ミスティウム』では?」
「ほぉ。よくわかったな、セベク。良い目利きじゃ」
「やはり!これほどミスティウムがふんだんに使われている魔石器は初めて見ました」
「わしの若い頃は……まだ茨の谷にもミスティウムや魔法石がたくさん採れる鉱山があったからのう。贅沢に使えたんじゃよ」
「伝説の戦士の武器をこれほど間近で拝見できる日が来ようとは……!感激です!」
感極まっているセベクを見て、シルバーは戸惑いながら言った。
「ま、待ってください親父殿。それは……うちの納屋にあった薪割り用の工具……ですよね?」
「薪割り用だと!?寝ぼけているのかシルバー!伝説の魔石器だぞ!」
「そうそう。ウチの納屋にあったヤツじゃ」
「えぇっ!?納屋に!?」
シルバーの言葉にセベクが呆れるも、リリアが肯定したせいで愕然とする。
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ブロッサム(プロフ) - ミアさん、ご心配しなくてもちゃんと更新できるよう準備は済んでおりますので。 (2023年3月6日 13時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - メインストーリーが更新されてますが、こちらの更新は大丈夫ですか? (2023年3月6日 12時) (レス) @page42 id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ミアさん、ご指摘ありがとうございます。ですが、注意事項とリストの間に報告がありますので、そちらをご覧いただけると嬉しいです。 (2023年1月27日 21時) (レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - いつも楽しみに読んでます。ひとつ提案があるんですが、メインが更新されるまでイベントストーリーを書いたらいかがですか? (2023年1月27日 19時) (レス) @page42 id: d9657aee6a (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (2023年1月21日 17時) (レス) id: 998eeca7c7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2022年12月19日 20時