EPISODE8-83-6 真実はまだ ページ36
「ふな〜〜っ！」
「はぁああッ！」
「ふっ！」
それぞれが魔法を繰り出す。
青い炎を、雷撃を、風撃を繰り出し、襲いかかる『闇』を追い払う。
「ぐぶぶぶ……」
『闇』は名残惜しそうに消えていき、そのまま空間に溶け込んでいった。
「ふぅ、あらかた敵は倒せたようだな」
「シルバーのヤツ、こんな敵がうじゃうじゃいるところに1人ぼっちでいるのか？」
「早く見つけないといけないわね」
戦ってわかったことだが、『闇』は無限に現れる。
そもそもが実体のない存在、個体数がわかるファントムのほうがまだマシと思えるほど。
「ふん。シルバーがあの程度の相手に後れをとるなどありえん。リリア様が直々に鍛え上げた男だ。必ず無事でいるに違いない。貴様らこそ、もたもたして僕からはぐれるなよ」
「はいはい」
セベクに促され、私とグリムは彼の後を追う。
しばらく歩くと、セベクは周囲を見渡した。
「このあたりにシルバーの姿が見当たらないな」
「そのようね」
こうも辺りが真っ暗だと、気が滅入ってしまう。
だけど、こういう時に限って『闇』が現れるから細心の注意を払わなくてはならない。
「シルバーは夜明けの騎士の顔を見たことで『闇』に飲まれたようだが……あの2人……本当に顔が似ていた。まさか、夜明けの騎士はシルバーの遠い祖先なのか？それとも……」
「セベク？どうかしたの？」
「いや、僕が考えても仕方がないことだな。リリア様とシルバーは師弟であり、家族だ。分かっているのは、それだけでいい」
「……そうね」
気になることはある。
でも、それはここを出てから考えればいい。
たとえそれが、信じたくない真実が待っていても。
EPISODE8-83-7 追憶の幕間2-4→←EPISODE8-83-5 『闇』の中でも変わらない騒がしさ
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ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
