EPISODE7-82 追憶ペアレント！ ページ25
No side
『闇』の中で、シルバーは蹲っていた。
己の出自の真実を知り、リリアと過ごした記憶が見えぬ刃となって全身に突き刺さり、両目は歯止めを知らないように涙を流す。
「もう……歩けない……歩きたくない……」
一歩も動く気力すら奪われ、シルバーはそのまま『闇』へ呑み込まれる。
「ごめんなさい、親父殿……マレウス様。俺の夢は、いつかあなたたちを守れる騎士になることでした。でも、その夢はもう……ううっ……」
2人にとって仇の子どもである自分に、その夢を叶える資格はない。
完全に心を閉ざしたシルバーに、耳に慣れた幻聴が聴こえてきた。
「こんなところにいたのか」
「この声は……」
その声に反応して顔を上げる。
顔を上げた先にいたのは、蝙蝠の面を被った右大将時代のリリア。
「やっと見つけたぞ――夜明けの騎士」
だけど、彼は自分を見て魔石器を向けた。
「え？違います、俺は……はっ！？」
最初は呼び間違えられたと思い否定しようした直後、己の姿を見て息を呑む。
身に纏うのは、ディアソムニア寮の寮服ではなく、豪華な意匠が施された白銀の鎧。
肩から流れる髪は、夜の祝福を受けた銀ではなく、昼の祝福を受けた金。
どこからどうみても――己の実父である夜明けの騎士そのものだ。
「この姿は？なんで……」
「よくもマレノアとレヴァーンを！お前だけは、俺がこの手で……！」
「親父殿、俺は……っ！」
「お前に親父などと呼ばれる筋合いはない、人間！！」
そのまま、リリアが魔石器を振りかざし、襲いかかる。
シルバーも剣を抜いて交戦するも、いくら夜明けの騎士の姿をしていても身体能力は己ののまま。
なんとか鍔迫り合いで互角になっている状態だ。
「くっ……さすがは『銀の梟』一と謳われるだけあるな。だが、まだまだ！」
「やめてください！俺は……あなたと戦いたくない！もう、もう二度とあなたの前には姿を現しませんから……！」
「何を今更！時間は戻らない……もう遅い！はあああ！」
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ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
