【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる3 (ページ50)

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「オレ、寮長が今までの行動を謝ってくれたら言おうと思ってたことがあんスけど……」
「エース？」

私の拘束から逃れたエースが、リドル先輩の目の前で立つと思い切り息を吸って……。

「ゴメンの一言で済むわけねーだろ！絶ッッ対許してやらね―――！！！！」

ものすごい大声で叫んだ。

「え～っ！？この空気でそれ言う！？」
「どんだけ器小さいのよあなたは！？」
「ったりめーだ！こっちは散々コケにされたわけだし？せっかく苦労して作った手作りマロンタルトを捨てられたわけだし？涙ながらに謝られたくらいじゃ許せねーなあ」
「コイツオレ様より根に持つタイプなんだゾ」

グリムさえ呆れ果てるも、リドル先輩は涙目のまま戸惑う。

「そんな……じゃあ、どうすれば……」
「……オレ、しばらくは誕生日じゃないんだよね」
「は？お前何を言って……」

突拍子もないことを言い出してデュースが何かを言う前に、エースはそれを遮って言う。

「だから、『なんでもない日』のパーティのリベンジを要求する。オレたち、結局パーティに参加できてねーし。そんで今度はお前がタルトを作って持って来いよ。
　あっ、トレイ先輩に手伝ってもらうのはナシだから！自分で苦労しろ！……そしたら、許してやらないことも、ない」

……なるほど。エースはそれで今回の件をチャラにするのね。
ま、それもひとつの仲直りの仕方でしょうけど……。

「素直じゃないわね」
「外野は黙ってろっ。いい？わかった？」
「……うん。わかった」

鼻をすすりながら頷くリドル先輩。
彼もこれがエースなりの仲直りの仕方だと気づいたかもしれない。
ほっと息を吐く横で、学園長は微笑んで頷く。

「うんうん。歩み寄りは美しきかな。これで一件落着ですね」
「……そうですね」

彼の言葉に、私も静かに同意した。