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EPISODE5-73 終曲ポムフィオーレ! ページ7

No side

ルークからの告白は、誰もが理解できなかった。
その中でもヴィルの戸惑いは強かった。

「……え?アンタが呪われるべきって……どういうこと?」
「それはね……ほら」

ルークが見せたのは自身のスマホの画面。
そこに出ていたのは、ロイヤルソードアカデミーの校章。
その画面が、VDCの投票画面であることくらい誰もが理解した。

「………………………………はぁ」
「わ――!ヴィル!!しっかりしろ!」
「せ、先輩気を確かに!僕の肩につかまってください!」

画面を見て崩れ落ちそうになるヴィルをデュースが支え、カリムとジャミルが付き添う横でエースとエペルがルークに怒号を浴びせていた。

「ちょっと、ルーク先輩!?アンタ、なんでロイヤルソードアカデミーに投票してんの!?」
「んだ!信じられねーや!なしてそったはんかくせぇ真似を!」
「言っただろう?どうしても自分の心を偽ることができなかった、と」

今まで頑張ってきた自分たちを裏切る行為をしたルークに、エースたちだけでなく他のメンバーも鋭い眼光で睨みつけた。
しかしルークは否定せず、哀しげに目を伏せた。

「ネージュくんたちは心から自分の力を、そして仲間の力を信じ、歌い踊っていた。私はその姿を見て、『強い』と……『今この時、世界で一番美しい』と思ったのさ」
「そ、んな……………………」

絶句するヴィルを余所に、ルークはさらに言い続ける。

「ヴィル。キミの(パワー)を誰よりも信じなければならないのは、キミ自身だ。ライバルに勝利するため、自分を磨き上げるストイックなキミは、誰より美しい。けれど……自分を信じられない限り、たとえ世界中の人々に称賛を受けても、キミが心から満たされることはないだろう。
 だがもし、いつかキミが地に伏し、汚泥にまみれ、老いれ痩せさらばえた姿になったとしても……『今この時、私が世界で一番美しい』と胸を張ったなら、その決定は伝説の魔法の鏡でさえ覆せない。己を信じる強さ、誇りこそが、世界で一番の美しさ(パワー)なんだ。
 毒の君(ロア・ドゥ・ポアゾン)、麗しのヴィル。どうか誰よりキミを信じておくれ。美はいつも、キミと共にある。今この時、キミは最高に美しい」
「…………う、うっ……うううっ……」

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ブロッサム(プロフ) - ありがとうございますーーー!!。・゚・(*ノД`*)・゚・。 (2022年2月20日 12時) (レス) id: 9aaad4e273 (このIDを非表示/違反報告)
時間の止まったリス - な゛か゛な゛お゛り゛て゛き゛て゛よ゛か゛っ゛た゛ーーーーー。゚(゚´Д`゚)゚。 (2022年2月20日 12時) (レス) @page2 id: d39a98933d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2021年3月21日 22時

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