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ヴィルの言葉に、電話越しにいるアデラが息を止めた。
そして、絞り出すような声で主役のキャストの名前を告げる。
『伝説の剣を授かる物語の主人公は…………ネージュ・リュバンシェよ』
「…………また、ネージュ？」
ネージュの名を聞いて、ヴィルの声が固くなる。
それを聞いたアデラが宥めるように言う。
『言いたいことはわかる。でも、これはあなたが次のステージへ登るためのチャンスと考えて。出演料は3億マドルを提示されてる。ティーンの役者には破格の条件よ。交渉次第ではもっと上も狙える』
「アタシの気持ちをお金で買おうとしないで。どれだけ積まれたって出たくないもには出ない。アタシはただ……舞台の上に最後まで立っていたいだけ」
『ヴィル……』
最後の言葉に何かを感じたのか、アデラが沈んだ声でヴィルの名を呼ぶ。
「今は『ＶＤＣ』に全力を尽くしたいの。今回のオファーは断っておいて」
『あなたが学生生活を大事にしているのはわかってる。でもどうかもう一度よく考えて……！』
「しつこい！もう『ＶＤＣ』が終わるまで、かけてこないで！」
それでも食い下がるアデラに辟易しながら、ヴィルはやや乱暴に電話を切る。
近くでそれを聞いていたカリムが、首を傾げながら訊いてきた。
「どうした？なんか良くない知らせか？」
「大したことじゃなかったわ。さあ、レッスンを始めましょう」
「………………」
平然とした顔で談話室を出るヴィルを、ルークは真剣な眼差しをしながら見つめていた。
――ポタポタッ、とブロットが溜まる音は、相変わらずAにしか聞こえなかった。
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ブロッサム(プロフ) - 絵が上手くないので難しいです！むしろ誰か描いてください……！ (2021年2月10日 17時) (
レス) id: e227af577a (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年2月10日 15時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年2月8日 16時
