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リドル先輩の話を聞いて、思わず例のクソ毒親を思い出す。
確かに、あの人なら一歩外に出たたけで怒鳴り散らすのが簡単に想像できるわね……。
「えぇっ……それは……すごく厳しいお家だったの、かな？でも、学園では家のことは気にしなくていい、ですよね？せっかくだから、今までのぶんもここでは自由に楽しみましょう！」
「……悪くない提案だね。前向きに検討しよう」
「Aサンの家もリドルサンと同じ感じなのかな？」
「私も……というか、ハロウィーン自体が海外からきた風習だからか、どの家も積極的に参加しなかったわね。繁華街とかだと仮装する人で溢れ返るけど、その時は警察がたくさん出張って大変だなというイメージしかないわ」
テレビでよく見たハロウィーンを思い出すと、2人はどこか困った顔になった。
「そ、それは本当にハロウィーンなのかい……？」
「べ、別の行事のものじゃなくて？」
「……悪かったわね、こんなコメントしずらいハロウィーンで！」
仕方ないじゃない！本当のことだもの！
思わず拗ねてしまった私に2人が慌てて謝ってくれたので、すぐに元に戻った。
「さて、ボクはそろそろ寮へ戻るとするよ」
「はい……あ、そうだ」
立ち去ろうとするリドル先輩に向けて、エペルは笑顔で言った。
「リドルサンもいつかうちの地元に遊びに来てください！ナイトレイブンカレッジからはちょっと遠いですけど親戚総出でおもてなししますよ！みんなでおばあさまのうまい料理をつつきましょう！」
「そ、そうだね。……考えておくよ……」
「はい、楽しみにしてます！！」
そう言って、リドル先輩は今度こそメインストリートから立ち去る。
横で聞いていた私は、エペルの顔を覗き込みながら言った。
「その地元のパーティーには、私たちも呼んでくれないの？」
「あ、ごめんね！忘れてたわけじゃないんだ。もちろん、Aサンたちも大歓迎だよ！」
「ふふっ、ありがとう。そうだ、これから一緒にハロウィーンを見て回りましょう。イグニハイドのプロジェクションマッピング、昨日と違うみたいよ」
「そうなの？行ってみよう！」
私の話に食いついたエペルと一緒に、イグニハイドのスタンプラリー会場である図書室へと向かう。
それを鏡舎に向かう途中のリドル先輩が、微笑ましそうに見つめていたことに気付くことはなかった。
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年6月27日 19時
