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そう言って、ヴィル先輩はアズール先輩の手の中にあった魔法石を強引にひったくった。
「この魔法石は基準を満たしてるわよね？ボードゲーム部も、もうクリアでいいでしょ」
「そうだねぇ。ほら、ボードゲーム部！『バルガスバッジ』を受け取りなよ。イーッヒッヒ！」
「はあ……仕方ないですね。ありがとうございます」
ボードゲーム部も無事バッジを手に入れ、名残惜しそうな顔をするアズール先輩を連れて坑道を後にする。
でもよかった、あそこでヴィル先輩が魔法石をゴーストに渡さなかったら、私が強引に魔法石を渡してそのまま坑道の外まで引っ張ってたよ。
「まったく……ヴィルさん、どうして邪魔をしたんですか。もう少し魔法石を掘りたかったのに」
「アンタ、見てなかったの？」
「なにをです？」
「すみません、ヴィル先輩。自分たちもなにがなんだか……」
困惑する面々に、ヴィル先輩は険しい顔をしながら話し始めた。
「さっき、アタシたちとは違う足音が聞こえて……振り向いた先に影が見えたの。大きな丸い頭、長い腕と大きな爪……あれは明らかに人間じゃなかった」
「はあ？そんな生き物が、あの坑道に？ヴィルさんの見間違いじゃないですか。どなたか、他に目撃している方は？」
「グリム、A。アンタたちはどう？」
「そんなもん見てないんだゾ」
「私もです」
てっきりあの怪物かと思ったけど、話を聞く限りじゃ違うようだ。
「……いいわ。証明する術がない以上、話しても時間の無駄ね。それにアタシも、正直言って自分の見たものに自信が無い。今は、各々残っている課題に取り掛かるべき。これ以上時間を浪費するのはやめましょう」
「そうですね。映画研究会の皆さん、課題のご協力ありがとうございました。それでは、僕たちはこれで失礼します」
「あっ、待て〜！オレ様たちも行くんだゾ〜！」
「グリム、ちょっと待って！」
アズール先輩たちが去るのを見て、グリムが走ると同時に私も追いかける。
その時、背後でヴィル先輩が難しい顔をしていたことに気付かなかった。
EPISODE4-5 条件としてはシビアです→←EPISODE4-4 見間違いじゃないですか
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
