＊ ページ29
「とにかく、今後のことを考えないと。他にも逃げられた奴がいればいいが……」
トレイがそう言った直後、茂みの向こうから2つの人影が現れた。
「おや、トレイさんじゃありませんか。ジェイドも逃げ切れたようでなによりです」
「アズール！ヴィルも無事だったんだな」
「ええ……アタシはね。他の映研のメンバーは全員、さっきの襲撃でやられたわ」
「ボードゲーム部はどうですか、アズール」
「こちらも同じ状況です。パニックの中で、あっという間に僕以外の部員はやられてしまいました」
「無事なのは俺たち4人だけってことか……」
あれだけいた文化部員が4人まで一気に減らされた事実に、流石のヴィルも戸惑っていた。
「なんだったのよ、さっきの大きな影は……！あっという間に壊滅状態じゃない」
「あれが、グリムくんの言っていた黒い影なんでしょうか」
「そう考えるのが妥当だろうな。バルガス先生かと思ったんだが……シルエットがいつもと違ったんだよ。暗くてはっきりは見えなかったんだが、大きな角のようなものが見えた気がする」
こんなことなら、グリムとAの話をちゃんと信じれやればよかったと、トレイは内心後悔した。
「角？じゃああれはバルガス先生じゃない、ってこと？」
「これが課題か、そうでないか。あれがバルガス先生か、そうでないか。……答えがどうであり、あの大きな影を対処しなければならないという状況は変わりません」
「そうだな。もう一度さっきのように襲われたら、今度こそ逃げきれないかもしれない。なにか対策を考えないと……」
「二手に分かれ、どこかに隠れてやり過ごすのはいかがでしょう。僕とアズールは人魚の姿に戻れば水中でも活動できますから、湖で朝を待つことが可能です」
「そうですね。あまり人魚の姿になりたくありませんが、仕方ない」
「その案、アンタたちが安全なだけでしょ。アタシたちはどうするのよ」
さり気なく自分たちだけ逃げようとしたオクタヴィネル2人に、ヴィルが苦言を呈した。
「トレイ、アンタからもなにか言ってやって」
「……そうだな。ひとつ提案してもいいか？少し無茶な方法にはなるが、隠れるよりも確実に4人全員で朝を迎えられるかもしれない」
「ふむ……その方法とは？」
「やることは1つ。襲撃者が今度また襲ってきたら、逆にこっちから襲い返してやるんだ」
「「「……えっ！？」」」
トレイの提案に、3人は一斉に目を見開いた。
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ブロッサム(プロフ) - 修正しました。ありがとうございます。 (3月7日 15時) (
レス) id: ec16017b1d (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。27ページのトレイのセリフの夢主の名前が変わっていませんでしたよ。 (3月7日 14時) (レス) @page26 id: d363e1b9e0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2024年2月26日 23時
